ロンドン旅行記#9<三日目その3・切り裂きジャック殺人現場ツアー篇>
博物館を二箇所ハシゴした後は、ヴィクリア駅近くのバス発着所「ヴィクトリア・コーチ・ステーション」に移動。ここから二階建てオープンバスに乗って行く「切り裂きジャック殺人現場ツアー」に参加しました。
世界の旅行者と巡る☆2階建てバスと徒歩で行く!切り裂きジャック&ゴーストナイトツアー<英語混載> by Premium Tours | ロンドンの観光・オプショナルツアー専門 VELTRA(ベルトラ)
このツアーは「12歳未満の参加はお勧めできません」とあったので、12歳の娘を連れての参加はちょっと気が引けていたのですが、実際に行ってみたら娘より幼い子供連れの観光客も居て、結果的にあまり問題ありませんでした。
↓この頭の悪そうな外観のバスに乗車w
普通の二階建てバスには何度も乗ったけど、オープンバスでロンドンの夜景を見つつ走るのはまた違った雰囲気が楽しめて良かったです。
↓気分爽快
ここでちょっと「切り裂きジャック」について解説。1888年のロンドン、イーストエンドのスラム街で(少なくとも)5人の娼婦が連続して惨殺されました。事件は未だ未解決で、この犯人の通称が「Jack The Ripper(切り裂きジャック)」です。娼婦が殺される事件自体はこのご時世珍しくありませんでしたが、いずれも短時間で臓器を抜き取るといった猟奇性と手際の良さから、解剖学の心得がある者の犯行ではないか等様々な憶測を呼びました。さらに(真意は不明ながらも)犯人からの挑発的な犯行声明が新聞社に届いた事から、いわゆる劇場型犯罪の元祖とも言われています。未解決であった事から人々の想像力を大いに刺激し続け、今でも多くの小説や映画のモチーフとして登場しています。
↓以前書いた切り裂きジャックを基にした映画『フロム・ヘル』の記事
そうこうしてる内にロンドンの金融街であるシティ・オブ・ロンドンにある有名なビル「30セント・メアリー・アクス」の近くに停車。ここからウォーキング・ツアーが始まりました。徒歩数分で「Mitre Square」という小さな広場に到着。ここは4人目の被害者であるキャサリン・エドウッズが殺害された現場です。
↓ガイドの話を聞くツアー参加者
このガイドさんが(当然ながら)英語で解説してくれるのですが、途中何度か詰まって「ええっと…」となる事もあり、正直あまり上手じゃなかったです。まぁこっちの英語力も知れてるからいいんだけど。
↓ガイドさんが見せてくれた切り裂きジャックからの最初の犯行声明(多分コピーしてそれっぽく加工したもの)
↓とあるパブの外壁に描かれた切り裂きジャック(っぽい人)
面白いのは行く先々で同じようなツアーの団体に出会う事。一箇所で3つくらいのツアー客がかち合う感じで、皆どんだけ切り裂きジャック好きなのか?と思いました。それ以前に実際の殺人事件を完全に観光資源化してるUKって一体…とも思いましたw。
ツアーの終盤に着いたのがパブ「THE TEN BELLS」。ここは最後の被害者とされているメアリ・ジェーン・ケリーが殺害直前まで居たパブで、その後この近所にあった自身のフラットで死体で発見されました。遺体の状態は凄惨を極めていて、内臓は全て取り出されていました。映画『フロム・ヘル』にもこのパブは登場します。
↓ブレた写真で申し訳ない 金曜で店の外までお客さんでいっぱい
そんなこんなで2時間くらい歩き回ったのですが、19世紀のスラム街は今では都会へと変貌を遂げていた事にまず驚かされました。とはいえ、そんな中でもごく一部、当時の建物がそのまま残っていたりもして、新旧が混在した混沌さを感じました。その混沌の中から「ロンドンの闇」ともいえる負の歴史さえも商売にするその貪欲な精神に、マルコム・マクラーレンの「CASH FROM CHAOS」を思い出しました。
その後、ドラマ『シャーロック』シーズン2#3でシャーロックが飛び降りた病院の前を通りつつ、トラファルガー広場近くにある終着地の「The Sherlock Holmes Pub」に22時頃到着。
↓せっかくなのでシャーロック・ホームズ・エールをいただきました
Sherlock Holmes | We serve freshly prepared, irresistible food, all day, every day
ちなみにコナン・ドイルが最初にシャーロック・ホームズ作品を発表したのが1887年で切り裂きジャック出現のわずか1年前。フィクションのホームズがウエストエンドで難事件を解決していたちょうどその頃に、現実のイーストエンドでは切り裂きジャックが暴れていたというのは偶然とはいえ面白いなと思います。
朝から歩き回ってヘトヘトだったのでビールを一杯飲んで早々に宿に戻りました。
#10に続く