町山智浩の、漫画師に訊け!-新井英樹の巻
ラジオデイズで配信されている有料ポッドキャスト「町山智浩の、漫画師に訊け!」の「新井英樹の巻」を聴きました。一括購入で¥1,100。無料のポッドキャストに慣れてるせいで正直高いなとは思いましたが、結果は大満足。非常に面白かったです。
私は『ザ・ワールド・イズ・マイン』が好きで好きで、どのくらい好きかというと連載終了時に「もう当分マンガは見なくていいや」と思ってしまったくらい。なのでその後新井さんの新作である「キーチ!!」も含めてほとんど新作マンガ読んでない(最近になってようやく『よつばと!』『さよなら絶望先生』あたりを読んだ)。
町山さんも新井作品を相当好きだったみたいで、冒頭からほとんどほめ殺し状態。作品自体についてはもちろん、お互いの好きなB級映画の話やマンガの裏話(あのキャラクターのモデルは××とか)など諸々興味深かったです。
その中で個人的に一番面白かったのがこんなやり取り。
新井(以下A):娘に映画見せたくてしょうがなくて、だけど見せられる映画が限られるんですよ。あの、好きな映画があまりにもあまりなんでw。
町山(以下M):ウチもそうですw。
(中略)
A:映画もだから、なんかやってやる代わりにパパの言う映画を見ろ。ただし、見せるのにわざわざトラウマになる映画ばっか選ぶんですよw。
M:えっ、本当に見せたんですか?今おいくつですか?
A:今はもう中二になったんですけど、小学生の時に。だから怖いのやだやだって言って、大体『ラピュタ』ですら怖いって言って途中でやめたんですよ。
M:あ〜。
A:なのに、その後で見せたのが『ジョーズ』とか『羊たちの沈黙』とか『遊星からの物体X』とかw。
M:そんな『羊たちの沈黙』とか見せてどうすんですか!
A:『羊たちの沈黙』は意外なくらい喜んだんですけどね。
M:え〜!だってグログロじゃないですか!死体とか解剖するシーンとかあるし。
A:だから『ジョーズ』かなんか見せたときに「映画っていうのは、こうやって裏でこういう風に作って、こういう風にできているんだよ」「それをどれだけ怖く面白くみせるか」っていうことで。
M:あ〜作り物なんだよって思ったから怖くなくなったんですね。
A:重くてどうこうっていうのを見せまくってましたね。
M:トラウマをわざわざ与えてどうするんですかw。
私も娘に『グレムリン』とか無理矢理見せているので非常にシンパシーを感じましたw。この「映画は作り物だ」という説明はすごく重要だと思うんですよね。本当に人が死んでるわけじゃなくて、観客をドキドキさせるために知恵をしぼってやってることなんだと。私もコレはいつかしっかりと教えたい。
その流れでいくと『ザ・ワールド・イズ・マイン』とかもとにかく残酷なシーンが山のようにあるけど、「作者はなぜこんな描き方をしたのか?」を考えなきゃならないんだよね。それをただ「残酷凄い!」や「残酷気持ち悪い!」とだけ捉えるからおかしなことになっちゃう。ものすごく当たり前のコトだけど、その辺が分かっていない人が多過ぎる。
あえて避けていた『キーチ!!』の話も色々聴けたので、そろそろ読んでみたいと思います。楽しみだ!
(参考)
町山智浩の、漫画師に訊け!新井英樹の巻-ラジオデイズ
漫画家インタビューPodcast、今後の予定です - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記
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