幻の子供、幻の映画 - 『バニー・レークは行方不明』


ギレルモ・デル・トロがプロデュースしたスペイン映画『永遠のこどもたち』のオープニングタイトルがすごく好きです。子供の手が伸びてきて紙をやぶくようにめくると、その下に文字が現れるというヤツで、紙一枚で隠された謎のベールをはがす、というこれから始まる映画のキモをさりげなく表現しています。さらに複数の子供の手が次々に伸びてくるのはかわいくもあり不気味でもあり、かつ上品でもありワクワクします。


↓『永遠のこどもたち』オープニングタイトル


そんなオープニングタイトルには実は元ネタがありました。オットー・プレミンジャー監督の『バニー・レークは行方不明』です。町山さんの著書『トラウマ映画館』でも紹介されていた作品で、日本ではDVDどころかビデオにもなっていません。今回スターチャンネルで放送されたので初めて観ましたが「幻の傑作」という評判通り非常に面白くて、かつ狂った作品でした。


↓『バニー・レークは行方不明』オープニングタイトル


↓動画もあった


『バニー・レークは行方不明』はアメリカからイギリスに来たばかりのアンの4歳の娘が突然いなくなってしまうというストーリーで、『永遠のこどもたち』と同じく行方不明の子供を親(保護者)が必死に探すという共通点があります。また、行方不明の娘など実は最初から存在しなかったのではないか?という展開はジョディー.フォスターが飛行機の機内で消えた娘を探す『フライトプラン』の元ネタと言われてますが、面白さは比較になりません。ラストの異様さは『サイコ』にも引けを取らないほどの強烈なインパクトがあって、もしかして自分にも嫁さんや子供なんか最初からいなかったんじゃないか?と不安になりましたw。


↓私の娘はどこー?


このオープニングタイトルを作ったのは、『サイコ』のオープニングも作ったソール・バス。超絶にスタイリッシュでもあり、妙に不安にさせるオープニングはまさしく「つかみはOK」という感じで最初からぐいぐい惹き込まれます。ぜひDVD/Blu-ray化して欲しい幻の映画でした。オススメ。


永遠のこどもたち [DVD]

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トラウマ映画館

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↓『サイコ』も『バニー・レークは行方不明』もどちらも入ってない(泣)。

ソール・バスの世界 [DVD]

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