藤子F不二雄のパラレル・スペース「値ぶみカメラ」
青年実業家の倉金(ケイン・コスギ)と貧乏カメラマンの幼馴染、宇達(諏訪雅)のどちらと付き合うのかで悩んでいた竹子(長澤まさみ)は、ある日、「値ぶみカメラ」という不思議なカメラを手に入れる。このカメラで撮った写真は、市価(被写体の正札価格)や産価(被写体が将来生み出す利益)がわかるというのだが……。
せっかくWOWOWに加入したので、何か面白い番組ないかなーと見ていたら「藤子F不二雄のパラレル・スペース」があった。これは藤子F不二雄のSF短編集を原作にしてWOWOWが製作した全6話のオムニバスドラマ。藤子FのSF短編集は大好きなんで期待しつつ、第一話である長澤まさみ主演の「値ぶみカメラ」を見た。
これが超問題作だった!
文章で説明するのが難しいんだけど、一言で言えば「マンガの完コピ」。セリフやアングルはもちろん、例えばびっくりした時の不自然な姿勢とか、現実にはありえないような髪型とかを可能な限り再現している。主人公竹子が着ている「鳥のイラストが描かれたセーター」まで完コピ。
マンガのコマとドラマの一場面を並べたブログがいくつかあったので無断拝借。
ほごのま-藤子・F・不二雄のパラレル・スペース「値ぶみカメラ」
映画「300」も原作のコミックをやはり可能な限りそのまま実写化していたが「演技」に関してはやや舞台劇っぽい大げさな雰囲気はあったけどそんなに違和感なくやっていたと思う。しかし「値ぶみカメラ」ではセリフを(わざと)棒読みにして、意図的にリアルさを排除している。
こんな実験的な手法を取ったことで30分番組なのにドラマ部分はたった15分で終了。余った時間には出演者達のインタビューでお茶を濁すというやりたい放題な内容。
衝撃的ではあったけど、はっきり言えば面白くない。原作読んでいない人にとってみれば意味不明だろうし、セリフが棒読みなんで学芸会を見てるみたい。ドラマではなくて、例えばPVの演出とかだったら面白がれたのかも。
ただ、全6話のオムニバスの中にこれだけ滅茶苦茶なモノが1本くらい入っていてもいいかなー、とも思う。しかしこれが第一話というのはやはりバランスがよろしくない(他の話はまだ見てないんでよく分からないんだけど)。
全然知らなかったけどスチャダラのBOSEがヨドバ氏役で出ていた。藤子F好きのBOSEなんで嬉々として演じてたんだろうなぁ。
DVDがちょうど発売されたばかり。興味のある方はぜひ。
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(参考)
てれびのスキマ-あまりにも「値ぶみカメラ」が酷かった事について
VAP - 藤子・F・不二雄のパラレル・スペース -