これぞ眼福!-Blu-ray「ハッピー・フィート」

PS3も安くなったし、安価な再生プレーヤーも揃ってきたし、当初は少なかったレンタルや中古ディスクも数が増えてきたしで、これから初めてBlu-rayを体験される方も多いのではないでしょうか?そこで、誰が見ても「Blu-rayマジ、パねぇ!」と思えるディスクを紹介。それがこの「ハッピーフィート」。


ハッピー フィート [Blu-ray]

ハッピー フィート [Blu-ray]

皇帝ペンギンの世界は歌が命。歌で心を伝えられなければ、一人前の大人にはなれない。音痴な上に、タップダンスが上手という困った皇帝ペンギンのマンブルは、当然のようにエンペラー帝国から追放されてしまう。ひとりぼっちで未知の世界に飛び出すことになったマンブルは、ひょんなことからアデリー・ペンギンの5人組“アミーゴス”、そしてロックのカリスマ、ラブレイスと出会い、次第に自信とリズムを取り戻していく。踊る皇帝ペンギン、マンブルが繰り広げる、自分探しの大冒険が今始まる!


私自身はかなりのピクサーヲタですが、これまでのCGアニメ映画の中で単純に画質が良いものはどれ?と問われたら、迷うことなくこの「ハッピーフィート」を推薦します。動物を主人公にしたCGアニメだと一般的には擬人化、キャラクター化しますが、今作は(最近あまりなくなった)「超リアル路線」になっていて、主人公達ペンギンだけでなく象アザラシやシャチ、人間までもが実物とまったく変わらない姿で登場します(人間は実写をCG加工してるのかな?)。


生まれたてのペンギン赤ちゃんのふわふわした毛並みの再現性や、数百羽のペンギンが一斉に踊るシーンで1羽1羽がくっきり識別できることにとにかく驚かされます。美しく壮大な南極の風景や、海中を集団で泳ぐペンギンの映像などは「ただ映像が映ってる」だけでも「すげー!」と声を上げたくなる素晴らしさ。加えてCGならではの縦横無尽なカメラワーク(ものすごく高い崖から飛び降りたマンブルのショットが最高!)も感動モノ。これぞ眼福!Blu-rayマジ、パねぇ!


「画質が良い」と書いたけど、実はストーリーも非常に面白いです。「歌の上手さが重要なペンギンの世界に生まれた音痴の主人公がコミュニティを追放されるが、よその土地で初めて自分を認めてくれる友達ができて、最終的には『諸悪の根源』である『エイリアン』と遭遇し、結果(ペンギンの)世界を救う」んですよ。訳が分からないかもしれないが、本当にこういう話だからしょうがない。


「他人と違うという苦悩」「狭い範囲での価値観や思想」「他者の受け入れ」「ジェネレーション・ギャップ」「ラブ・ストーリー」「アドベンチャー」「父と息子との確執」「罪の意識と懺悔」「未知との遭遇」「2001年宇宙の旅」「無謀な挑戦と挫折」「ミュージカル」さらに(あまり大きな声では言いたくないが)「エコロジー」と実に様々な要素が含まれています。この映画にないのは「血」と「おっぱい」くらいだ(「それがいいんだよ!」という意見はもっともですが、ここでは無視)。ついでに言うと監督は「マッド・マックス」のジョージ・ミラーだ。


「凄いのは分かったけど、Blu-ray高いしー」という方にはとりあえずレンタルが(TSUTAYAなら多分)あるし、それでなくてもワーナーのキャンペーン中なんで今ならamazonで¥2,412で新品が買える。とにかく見て欲しい。そして驚いて欲しい。超オススメ。


(関連)
ハッピー・フィート-THE KAWASAKI CHAINSAW MASSACRE


Blu-ray特集ページあり。オススメディスクの中に「ハッピー・フィート」も入っています。

映画秘宝 2009年 11月号 [雑誌]

映画秘宝 2009年 11月号 [雑誌]