素晴らしい父になれるかな? - 『ファンタスティックMr.FOX』
妻ギツネの妊娠を機に泥棒稼業から足を洗ったMr.FOX。親子3人、穴ぐらでの安定した生活から丘の上の大木の家に引っ越したことから、Mr.FOXは近所に住む農場主3人の家に盗みに入ることを思いつく。しかし、大事な家畜や食べ物を盗まれた農場主たちはキツネを追い込むことに。Mr.FOX一家と仲間たちは結束し、穴を掘って逃げようとするが……。
ウェス・アンダーソン監督の『ファンタスティックMr.FOX』を観ました。前々作『ライフ・アクアティック』で未知の海洋生物シーンをCGではなく、わざわざヘンリー・セリック(『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『コラライン』)に依頼していたので、よっぽどストップモーションアニメが好きなんだなぁと思ってはいたけれど、まさか自身で長編ストップモーションアニメを監督するとは思わなかったのでびっくり。
ロアルド・ダールの原作は結構シンプルなキツネと人間の追いかけっこだけど、そこはウェス・アンダーソン。原作では名前すらなかった息子狐にはアッシュという名前が与えられ、ヒーロー視される偉大な父にコンプレックスを持つややひねくれた少年というキャラづけがされていました。どうしても「父と子」の映画にしたいんだなぁ。
ストップモーションアニメとしては、(わざとかもしれないけど)やや動きがギクシャクしてあまり滑らかではないです。とはいえ、それが味になってるので結果オーライ。動物たちは皆洋服をオシャレに着こなしていてかっこいいんだけど、穴を掘ったり、食事のシーンになると、急に野生に戻るのが笑えました。モグラ(だっけ?)の眼がグルグル回るのもやたらおかしかった。
ウェス・アンダーソンは子供時代にこの原作が好きだったらしい。こういう「強い父親」に憧れて、でも現実とのギャップに悩んだりとかしたんだろうか?私だってこんな父親になれるものならなってみたい。
今回は字幕版で観たけど、DVDが出たら娘と日本語吹替えで観てみたい。ウェス・アンダーソンのファンには特にオススメ。
↓セットはこんな感じ。ウェス組のビル・マーレーはアナグマ役。
- 作者: ロアルドダール,クェンティンブレイク,Roald Dahl,Quentin Blake,柳瀬尚紀
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- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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