荊の城

CATVで放送されたのを見ました。

日本でも“このミステリーがすごい!”で『半身』に続いて2年連続の1位を獲得するなど、世界中のミステリー・ファンを魅了したサラ・ウォーターズの傑作を英国BBCがドラマ化。19世紀初頭のヴィクトリア朝のロンドンを舞台に、莫大な遺産を狙った巧妙な結婚詐欺計画によってその運命を大きく狂わされていく対照的な2人の若い女性の姿が、サラ・ウォーターズ特有のレズビアン・テイストを盛り込みつつスリリングに描かれてゆく。


前編、後編合わせて180分の作品。テレビ局のドラマといっても、美術や衣装が凝っていて安っぽいイメージはありません。前編は詐欺師の相棒であるスウからの視点でストーリーが進みます。彼女はカモであるモードに対して哀れみと友情、さらに愛情を抱くようになりますが、モードを助けると自分の正体もバレてしまうという葛藤に苦しみます。このあたりで前編が終了するんですが、最後に「えー!!!!」と叫ぶどんでん返しが!


そして後半は別の人物の視点で、いわば前半のネタばらし的なストーリーが展開しますが、これもまた二転三転していき、最終的に意外な結末へと繋がっていきます。この後編のたたみかけるような展開が非常に見応えあり。


がんばれば2時間ちょっとの映画にまとめられるかもしれないけど、前編後編に分けたこの構成がベストかもしんないですね。レズビアンものとして楽しむのもアリなんで、その方面の方にもオススメ。

荊の城 [DVD]

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荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)

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荊[いばら]の城 下 (創元推理文庫)

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