ルールを破れ-「WALL・E」
お前はルールだらけだぜ
真実を知りたきゃ破れ
(少しだけネタバレしているので未見の方は注意)
「WALL・Eの可愛さと表情の豊かさ」や「EVEのツンデレ萌えっぷり」「ゴミだらけの地球の描写の素晴らしさ」「数々のSF映画へのオマージュ」「環境汚染に対する押しつけがなしくない警告」等々について語られたレビューはたくさんあるのであえてはぶきます(キリがないから)。
劇中に登場するお掃除ロボット「M-O(モー)」(上記写真)。彼は汚れたロボットを掃除するのが仕事で本来は定められたライン上のみを移動する。しかしWALL・Eが通った跡にキャタピラの汚れがつくのが我慢できずにラインを越えて(一線を越えて)掃除を始める。彼はここで「ルールを破る」が結果的にWALL・EとEVEを救う事となる。
映画ではこうした「ルールを破る」行為が度々行われる。EVEは当初与えられた「命令」を執拗に守ろうとするが、それを破ってでもWALL・Eを救おうとする。ルールとはいえないが、AUTO(機械)の言いなりになっていた船長もそれに反抗し戦うことを決意する。
人間達は5年の予定で宇宙へ旅立ったが、そのまま700年が経過した。普通なら何かがおかしいと疑問を持ち原因を調べようとするはずなのに、BnL社は過剰なサービスを与え続けることによってそれらを隠蔽しようとした。そして人間達はそれに従ったのだ。疑問すら持たずに、まるで家畜のように従順に。
この「過剰なサービス」は現在の社会でもよく見かける。スチャダラパーの「VS.サービス」は「バラエティ番組のテロップ」や「何でも揃ったコンビニ」を批判する曲だ。
たった5分前のダイジェスト
CM前かかるエフェクト
水増し延長ドンさらに倍
無差別テロップ被害拡大
ハジからハジ埋めて安心
ポイントのズレた全部入り
(中略)
あるといいながありすぎます!
「ルールを守る」「命令に従う」という行為は一見正しいようだが、それは時と場合による。明らかにおかしいと思ったらそれが自分にとって被害がなくっても自分の頭で考えて判断し行動するべきだ。台詞が極端に少ないこの映画で最も印象に残る「生き残りたいんじゃない、生きたいんだ」とはそういうことだ。「体制を疑え」「自分の頭で考えて行動しろ」というのが実はこの映画の裏メッセージではないかと思う。
ちなみに最初に引用したのは「ダークナイト」のジョーカーの台詞です。「ダークナイト」と「WALL・E」という一見正反対な映画には意外な共通点があった、という話でした。
「WALL・E」レビューあれこれ-THE KAWASAKI CHAINSAW MASSACRE

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