偏差値高めのアンチ・アクション・コメディ - 『アザー・ガイズ俺たち踊るハイパー刑事!』
ある日、ニューヨーク市警のハイスミス(サミュエル・L・ジャクソン)とダンソン(ドウェイン・ジョンソン)のスーパー刑事コンビが職務中に殉職。テリー(マーク・ウォールバーグ)は、彼らにその他大勢呼ばわりされてバカにされていたが、本来は根っからの正義漢で、悪党と対決したくてしょうがなかった。ところが彼の相棒アレン(ウィル・フェレル)は、デスクワーク命で……。
渋谷に『アザー・ガイズ俺たち踊るハイパー刑事!』を観に行きました。
ポスターの雰囲気からして『ホット・ファズ俺たちスーパーポリスメン!』みたいな映画を想像してました(邦題似てるし)。つまり、イケてない刑事が難事件に巻き込まれて、最後は映画みたいにド派手なアクションを起こして事件を解決するというモノ。そしたら全然違ってたんで驚きました。
『ホット・ファズ』がアクション映画への愛をパロディとして表現してるのに対して、『アザー・ガイズ』ではアクション映画をバカにしたパロディなんですね。だから似てるようで実際は真逆の発想で作られた映画となっています。
『アザー・ガイズ』の冒頭シーンはサミュエル・L・ジャクソンとザ・ロック演じるスーパー刑事による典型的なアクション映画です。派手なカー・チェイスで所構わず発砲し街の皆からも愛されてる彼らの顛末は死ぬ程笑えました!タイトルの「アザー・ガイズ」とはこのスーパー刑事「以外」のその他大勢の刑事のコト。
そんなスーパー刑事とはほど遠い主役のオチコボレ刑事(ひきこもり&空回りコンビ)が追う犯罪者というのが麻薬組織の大物とか、銀行強盗犯といった分かりやすい悪人ではなく巨額の金融詐欺に関わる投資家というのが面白いです。現代のアメリカにおいて、本当に憎むべく敵役というのはサブプライムローンを乱発してリーマン・ショックで世界的な金融危機を招いた証券会社なのだ。
ご丁寧にエンドロールでは過去にアメリカで起きた様々な金融問題等についてアニメーションを使って解説までしてくれます。
The Other Guys End Credit
私、ちょっと勉強不足でここで解説されてるコト(バーナード・マードフ事件とか)の半分も理解できてないです...。DVD化の際には池上彰先生の解説コメンタリとか欲しい。でも「CEOと一般社員の所得比率が319:1」というのは分かったよ!金持ちどもめ!
こんな感じにこれまでにない新しい社会派コメディに挑戦した心意気は買うんですけど、それらが全て笑いに繋がってるかは正直微妙でした。単純に日本人に分かりにくいネタが多かっただけかもしれないけど。
とはいえ私のようなバカでも分かる低レベル下ネタギャグもてんこ盛りなのでオススメです。
(参考)
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