トイレ問題は大事です - 『アリス・クリードの失踪』
刑務所仲間のヴィック(エディ・マーサン)とダニー(マーティン・コムストン)は、着々と誘拐の準備を進めていく。新聞でダーゲットを富豪の娘アリス(ジェマ・アータートン)に決めた2人は、白昼堂々彼女を路上で連れ去る。アリスは準備されたアパートの一室に運び込まれ、ベッドに両手両足を縛り付けられ身動きが取れなくなる。
渋谷に『アリス・クリードの失踪』を観に行きました。面白かった!
3人しか登場人物がいなくて、舞台もほとんどが一軒家の中という非常にミニマムな構成でしたが、誘拐事件という極限状態における駆け引きと、イニシアチブを取る人物が次々に入れ替わる意外過ぎる展開(2回ほど「ええ!」と叫びそうになった)にずっとドキドキしっぱなし。
オープニングはまったくセリフや説明無しに、淡々と手際良く誘拐の準備をする2人の男の映像のみで表現していたのも好感度アップ。あれ見ると「オレも誘拐してみたい!」って気分になりますよね。ならない?
さらに、私がなぜかこだわってる「映画におけるトイレ問題」というのがあって、様は「このシチュエーションでトイレに行きたくなったらどうすんの?」という問題?なんだけど、これがきっちりと描かれていたのでさらに好感度アップ!ちなみに過去のトイレ問題優良映画には『復讐者に憐れみを』における車で長時間張り込みシーンがあります(ペットボトルに溜めていた)。
単純な誘拐事件のハズが二転三転という意味では『ファーゴ』を彷彿とさせました。森のシーンは『ミラーズ・クロッッシング』っぽかった。あと誘拐の瞬間や金の交渉、受け取りといった本来描かれるべき部分をばっさりと潔くカットするところは、強盗映画なのに強盗シーンがない『レザボア・ドッグス』や、脱走映画なのに脱走シーンがない『ダウン・バイ・ロウ』を思い出しました。ユニクロのジャームッシュTでも買うか(買いません)。
監督&脚本は『ディセント2』で脚本をやってたJ・ブレイクソン。『ディセント2』も最後意外なオチに「ええっ!」となったけど、本作はそれ以上に面白かったです。オススメ。
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