Bossa Nova 2008-Fernanda takai「One Brilhem Os Olhos Seus」を聴いて
ここ半年程、自宅で流れる音楽はほとんどブラジル音楽だ。嫁さんがハマっていてブラジル音楽のネットラジオを流しっぱなしにしてることが多い。「それならば」と友人が数枚のCDを貸してくれた中にFernanda takai 「One Brilhem Os Olhos Seus」(邦題「彼女の瞳が輝く処」)があった。
↓amazonではプレミア価格の輸入盤しか出てこないが今回聴いたのは日本盤。
- アーティスト: Fernanda Takai
- 出版社/メーカー: Tratore
- 発売日: 2007/12/24
- メディア: CD
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現在ブラジルのポップ・カルチャーを牽引するパト・フのシンガー - フェルナンダ・タカイが、ボサ・ノヴァのミューズ - ナラ・レオンの秀逸なレパートリーを新たな視点でカヴァー。'07年夏に来日、コケティッシュなヴォーカルとインテリジェンスな表現を我々の眼前に披露したフェルナンダは、ここで敢えてボサ・ノヴァやサンバといったブラジルの既成概念となっているリズムを使わず、メランコリックなバラッドに、スパイ映画のサントラ調に、カリプソ・ファンタジアに、デキシーランド・ジャズに、エレクトロ・ポップに、と斬新でエレガントな感性を見せてくれます。
フェルナンダ・タカイ/彼女の瞳が輝く処 - 大洋レコード
サンパウロ芸術批評家協会が選出した2007年のベストディスクにも選ばれているこのアルバム。最近のブラジル・ポップ・ミュージックってこんな感じなんだ、と驚いていたら日本盤のみに追加されたボーナス・トラックの「小舟」(何と日本語で歌っている)を聴いてさらに驚いた。
アレンジがまんまピチカート・ファイブ!
調べてみるとフェルナンダ・タカイはその名からも推測できるように日系三世で、「渋谷系」とくにピチカート・ファイブの大ファンらしい。先月行われた日本公演では野宮真貴がゲストで登場し、「小舟」とピチカート・ファイブの「Sweet Soul Revue」「Twiggy Twiggy」をデュエットしたそうだ。実は8月にブラジルで行われたELETRONIKA 2008というフェスでもこの二人は共演済みだった模様。
そして今夜は、その野宮さんがゲストで登場、
http://www.brasil2008.jp/tokyo/post_48.html
ブラジルでも披露したという「コブネ(ウ・バルキーニョ)」と、
ピチカート・ファイヴ時代の「スウィート・ソウル・レヴュー」、「トゥイギー・トゥイギー」を歌ってくれました。
フェルナンダと野宮さんが交互に歌うヴォーカル、
ユニゾンでキメるコーラス。
ああ、なんてゴージャス。
(中略)
フェルナンダは本当にピチカート・ファイヴが大好きだったようで、
野宮さんと一緒に歌っていることが嬉しくて仕方がないかんじでした。
この話はもうちょっとだけ続く。
最初に書いたように自宅でブラジル音楽のネットラジオを流していると、時々聞き覚えがあるフレーズが流れることがある。例えば(2人がデュエットした)「Twiggy Twiggy」のイントロのフレーズとかだ。
つまり、ピチカート・ファイブが90年代の東京で地球の反対にあるブラジルの古い音楽を使って再構築し、それらは「渋谷系」と呼ばれて再び地球を半回転し(鮭が川に帰るように)ブラジルに届き、それを聴いて育った新しい世代のミュージシャンが生まれ、今回ブラジルと東京で共演を果たしたのだ。
これって凄いことじゃない?
「渋谷系」は「デトロイト・メタル・シティ」において、ギャグの記号として使われていたけど、世界的には今回のブラジルや意外なところでタイなどに広がっている。
flipper’s players~タイへ行くつもりじゃなかった~
- アーティスト: smallroom allstars
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2008/08/25
- メディア: CD
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フリッパーズ・ギターのファースト・アルバム『three cheers for our side ~海へ行くつもりじゃなかった~』を殆ど(!!!)そのままの曲順でトリビュート!
しかもタイのバンド達によるもので! しかも19年後の同日発売! しかもタイの人気漫画化ウィスット・ポンミット(通称:タム君)がジャケットまでイラストでトリビュート! 視覚的効果抜群!UVシルクや特殊印刷を駆使した見栄えばっちりジャケット! カジヒデキによる、フリッパーズ・ギター, タイ・インディーシーンへの思い入れタップリのライナー!
「タイへ行くつもりじゃなかった」(!?)-ひそかに盛り上がるタイの”渋谷系”シーン-CDJournal
そういえば10年前にプーケットに行った時にも、ピチカート・ファイブのカバー(というよりも歌だけタイ歌謡になったもの)がラジオでガンガン流れていてびっくりしたんだった。
今年はボサノヴァ生誕50周年であり、ブラジル移民100周年という記念の年だったりする。あちこちでイベントも開催されているので参加すると楽しいと思うよ。
- アーティスト: pizzicato five,野宮真貴,小西康陽,高浪敬太郎,David Claton-Thomas,Al Nichol,小山田圭吾,John Barbata,Haward Kaylan,Mark Volman
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2006/03/31
- メディア: CD
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(追記)
ブラジルで2人が共演した時の映像があった。
Maki Nomiya (pizzicato five) & Fernanda Takai Twiggy Twiggy BH 08'