ニモ(ネタバレあり)



川崎にて「ファインディング・ニモ」(オフィシャル)初日。ネットで指定席予約して行ったのだが、さすがは川崎、満員ではなかった*1。ただしチケット売場は大行列だったので良しとします。先日も書いたように、「予告編を見ただけでも泣く」私ですが、本編が始まってすぐ、400個の卵と一緒に奥さんが死んでしまい、たった1つの卵(=ニモ)だけが残って、「私にはもうおまえだけしかいない」とマーリンがつぶやくプロローグ(ちなみにタイトルもまだ出ていない)まで見て既に涙汁全開*2。その後も「ウミガメの大軍が登場するシーン」「マーリンの武勇伝が魚達の間で口コミで広がっていくシーン」といった決して泣きドコロではない箇所でも、「映画でしか体験できない映像のダイナミズム」をヒシヒシと感じ、終始泣きっぱなし。

涙汁の話だけではあんまりなんで、映画の補足をさせてもらうと、実は登場人物のほとんどが身体的、精神的にハンディキャップを持っているというのが、ミソ。主役であるマーリンは「暗い過去のしがらみにとらわれ」、一緒に旅をするドリーは「記憶障害」、ニモは「片ひれが小さくうまく泳げず」、サメは「××中毒」、水槽の魚達に至っては「全員ノイローゼで発狂寸前」。そんな彼等がそれぞれ困難に立ち向かい自立するまでを、決して重く暗くならずに(というか重くなりそうになると、ドリーがボケまくる)描かれており、こういうトコロが全米で「大人が楽しめた」要因だと思われます。「モンスターズ・インク」にもいえるコトですが、「CGの美しさ」「キャラクターの可愛さ」などが、そういうストーリーの根本部分を際立たせる為に、あえて「影で支える立場」に留まっている*3のが、ピクサーの懐の大きい部分だといえますし、それ以外の製作会社が見落としてしまう部分であるといえます。

もう書いても書いてもキリがないので最後に一つ。全米では映画を見て「熱帯魚を買う家族が激増」したらしいのだが、それ絶対間違っているから!!!

*1:私が見たのは「字幕版」。「吹き替え版」は満員だったかも。

*2:これ書きながら思い出してしまい、ちょっと泣きかけ

*3:あくまでも私判断。もちろん画面の美しさだけでも楽しめるんですけどね。