新橋文化劇場で『フリークス』『M』を観ました

本物の奇形・異形の人間が大挙登場する“伝説の”古典ホラー。サーカスの花形クレオパトラは遺産目当てから小人のハンスと結婚、彼の毒殺を図るが、その企みは見せ物仲間にばれてしまう……。アメリカでの公開時に、失神者が続出した、あるいは妊婦が流産したといったスキャンダラスな話題が続出、全米各州で上映禁止となるなど世界中で一大センセーションを巻き起こした映画史上に残る問題作。


新橋文化劇場で『フリークス』と『M』が二本立てで上映されていたので観て来ました。新橋文化劇場は今回初めて行きましたが、JR新橋駅の高架下にあって上映中常に電車の音が聞こえるという、この二作を観るのに相応しい「古き良き名画座」といった雰囲気で堪能しました。


↓入口に貼られたポスター。一般¥900。


↓劇場はこんな感じ。スクリーン両端にトイレがある。


『フリークス』を観たのは多分20年振りくらい。歴史的にスキャンダラスな映画である事は間違いないんだけど、個人的には「とにかく面白い映画」という印象。手も足もないおっさんが自身の口だけで葉巻にマッチで火をつけたり、シャム双生児の姉妹の片方がキスすると、もう片方もうっとりするなんてシーンに素直に心ときめいてしまう。身障者だって復讐する事もあるよ。人間だもの。


同時上映の『M』は今回初めて鑑賞。


1920年代、ドイツを震撼させた連続殺人鬼“デュッセルドルフの吸血鬼”ことペーター・キュルテンに材を採ったF・ラング初のトーキー作品で、光と影を効果的に使い、犯人の恐怖感や民衆の狂気を巧みに描き出している秀作。幼い少女が次々と惨殺される事件が発生。警察当局の懸命な捜査にも関わらず犯人の見当は全くつかず、やがて暗黒街にまで捜査の輪は広げられる。これを機に暗黒街の面々は独自で犯人探しを開始、浮浪者や娼婦まで動員し憎き少女殺しを追い求める。やがて盲目の老人の証言が有力な手掛かりとなっていくが……。


最近も「栃木女児殺人事件」の犯人が捕まって話題になったけど、「子供を狙う殺人者」や「犯人をどう裁くべきか?」といった議論って当時(30年代)も現代もほとんど変わっていないのね。答えが出せる問題じゃないよなー。


(参考)
新橋文化劇場
最低映画館〜フリークス
↓『M』の殺人鬼のモデルとなったペーター・キュルテンについて。希有な殺人鬼だけど奥さんには優しい。
殺人博物館〜ペーター・キュルテン


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