もっと絶望を! - 『カンフーパンダ2』

伝説の龍の戦士となったポーは平和の谷を守るため、カンフーの達人、タイガー、モンキー、ヘビ、ツル、カマキリの“マスター・ファイブ”と共に暮らしていた。ある日、見たこともない強力な武器のバスーカ砲を操って中国制覇の野望を抱くシェン大老の軍勢が現われ、ポーたちは立ち上がる決意をする。


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川崎で『カンフーパンダ2』(3D吹替え版)を観ました。


少数派と思うけど、実は私は1作目があまり好きではない。カンフーオタクのダメパンダが最強の戦士になるというのはボンクラの夢として魅力的かもしれないけど、何十年も地道な努力を重ねたタイガー達が不憫でならなかった。ラストのタイ・ラン戦も「自己流の指固め(だっけ?)」であっさり勝ってしまい拍子抜け。何つーか、弱いなら弱いなりに、もっと創意工夫したり、仲間と協力して倒すとかして欲しかった。


で、続編である本作。結論から言うとそこそこ面白かった。パンダを筆頭に各キャラクターが縦横無尽にスピーディーに動き回る映像は観てるだけで気持ちがいいし、製作陣の「勢い」みたいなのをすごく感じた。


なんだけど、やっぱり「ここがこうだったら」という違和感も多少感じた。1番大きいのはポーの「感情」のこと。


ポーが本作のキーとなる「自身の出生の秘密」を知った時や、最強の仲間と共に戦って勝てなかった時などに、「怒り」とか「悲しみ」または「絶望」みたいな感情をあまり出さないんだよね。そういうシリアスなキャラではない、ということかもしれないけどそこはちょっと物足りなかったなー。


個人的には自信過剰で天狗となったポーが、新しい敵の出現で挫折し、仲間からも見捨てられ絶望し、そこで過去の因縁を知り奮起する...なんて展開を期待したんだけど、昨今そういうのは受けないんですかね。


でも、カマキリの自虐(?)ギャグとか超面白かったんで、私以外にはオススメ。


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