我輩はカモである

ビリー・ワイルダーウディ・アレンモンティ・パイソン一派ら、喜劇の天才たちが敬愛してやまないコメディアン集団マルクス・ブラザース。架空の国を舞台に独裁政治が招くハチャメチャな破滅劇を、アナーキーなギャグの洪水で皮肉たっぷりに笑い飛ばす本作は、口から生まれたように饒舌なグルーチョの爆笑話術を始め、個性豊かな兄弟たちが織り成す笑いが痛快だ。

最近iPod Touchに映画(DVD)を取り込んで出勤中の電車の中とかで見てたりします。10分くらい見て一時停止して電車乗り換えてまた10分くらい...とコマ切れに見るので、そういうシチュエーションに向いている映画は何かと考えて、モノクロの古いコメディをよく見てます。

そんな中の一本がこちら。マルクス兄弟の「我輩はカモである」(「我カモ」)。

久しぶりに見たけど面白過ぎて困った(電車の中なので大笑いできない)。マルクス兄弟作品も「オペラは踊る」以降は比較的「善人キャラ」だけど、「我カモ」では「悪人キャラ」で「アナーキーなギャグ」全開なので見ていてハラハラする。中でも何でもハサミで切ってしまうハーポはここで笑っていいのか不安になる程のキチガイっぷり(でもそこがかわいい)。

パッと見、全然似てない三兄弟が「ハーポとチコがグルーチョの変装をして行う鏡のギャグ」ではクリソツなのがおかしい。本当に兄弟なのね。オススメ。