クローバーフィールド

オフィシャルサイト

とあるニューヨークの夜、日本への転属が決まり、赴任することになったロブ(マイケル・スタール=デヴィッド)のために、大勢の仲間たちがサプライズ・パーティーを開く。そのパーティーの最中、突然、とてつもない爆音が聞こえ彼らが屋上へ行くと、まるで爆撃を受けたかのようにニューヨークの街がパニックに陥っていた。


中学生の時、コミック「AKIRA」が好きな友人M君はネオ東京が破壊されるシーンを見ながら「これを肉眼で見たいんだよね」と言ってた(まだアニメ映画は公開されてなかった)。死にたくはないけど、目の前で起きる圧倒的な破壊を堪能したいという気持ちはよく分かった。以降、911テロの時にCNNを見ながら「あのビルの中に居たらAKIRAのあのシーンが見れたのかも」とか思った*1し、「ザ・ワールド・イズ・マイン」を読みながら「ヒグマドン」が出現する様を想像してうっとりしたもんです。

クローバーフィールド」は「もし本当に怪獣が突然やってきたらどうなるのか?」という体験ができるシミュレーション映画で、オフィシャルサイトにあるように「アトラクションタイプの映画」。「酔ったらやだなぁ」と後方の座席で見たけれど、実際にはジェットコースターと同じで最前列でかぶりつくように見るのが正解でした。そういう意味では迫力満点の破壊映像を堪能できて大変満足。


それはそれとして911テロからたった7年なのに、「テロの悲劇」を「(アトラクションとして)楽しむ」映画が出て来たという事実にびっくりする。テロ直後に「もうダイハードみたいな映画には出ない」と言ってたブルース・ウィルスはあっさり「ダイハード4.0」(未見)に出たし、「ワールド・トレード・センター」や「ユナイテッド93」(どちらも未見)も最早過去の映画だ。「悲劇」を「楽しみ」に変えることそのものに異論はないけど、「7年」という短さには(いいか悪いかは別にして)やっぱり驚かされる。

一時期「ヒルズ・ハブ・アイズ」の日本公開が絶望視されていたのは「唯一の被爆国として」という背景があったからだと言われてるけど、原爆投下は63年前だ。こっちは逆に長過ぎないか?「あの悲劇を繰り返してはいけない」「現在も苦しんでいる被爆者がいる」というのは理解はしてるつもりだけど、「ヒルズ・ハブ・アイズ」上映に問題があるとはやっぱり思えない。

無神経なまでに楽しむ事にどん欲なUSと、神経過敏なまでにタブーを避けたがる日本。どちらがいいんでしょうかね?

ヒルズ・ハブ・アイズ [DVD]

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*1:当日本当にその場に居たHさんによると「そんな余裕はない」そうですが...