エリ・エリ・レマ・サバクタニ

エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版 [DVD]

エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版 [DVD]

http://www.vap.co.jp/elieli/top.htm
中原昌也祭、その3。青山真治監督は上の「シネマの記憶喪失」でも何度かゲストという形で参加してるし、「青山真治阿部和重中原昌也シネコン!」(未読)という本まで出してる旧知の仲(らしい)。2枚組の豪華版DVDでは阿部和重がメイキングを作っているそうです(未見)。

西暦2015年。日本をはじめ世界中に“レミング病”と呼ばれる致死ウィルスが蔓延していた。感染者は自殺という方法で死に至るこの病。唯一の抑制方法が “日本のあるミュージシャンが奏でる音”を聴くことだという。希望もない絶望感に満ちた世界で、彼らの“音”は一筋の光となるのか…。

上の引用を読んで「世界の危機を2人のミュージシャンが救う」みたいなのを想像していたら全然違った。セリフは極めて少なくて特に前半は浅野忠信と中原が未知なる音源を求めてウロウロしたり廃校を使ったスタジオで試行錯誤を繰り返すだけの映像が延々続くばかり。後半になりウィルスに感染した宮崎あおいが登場して動きはあるものの決して大げさな展開にはならない。
最後に高原にスピーカーを高く積んで爆音でノイズを出す演奏シーンは圧巻。嫌いな人には耐えられないと思うけど、個人的には自宅のスピーカーではなく映画館で爆音で聴きたかったとちょっと後悔。
その他
・極めて軽い口調のラジオのDJ(ディスクジョッキーね)が世界の状況説明する所が面白かった。
・タイトルの意味は「「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや」(主イエスが十字架に張り付けられながら唱えた最期の言葉)。
・レミング病は「視覚映像」で感染するという設定なのは、巷に溢れる情報に左右される現代社会の人間へのアンチテーゼなのかね?「目隠し」して音を聴かせるシーンもそれを示しているのかも。
・中原も一応芝居してた。「死ねっ!」って言ってた。
・廃校を利用した2人のスタジオ。このスタジオいいよなー。本当に楽しそう。

エリ・エリ・レマ・サバクタニ 豪華版 2枚組 [DVD]

エリ・エリ・レマ・サバクタニ 豪華版 2枚組 [DVD]

Amazon価格では通常版よりこっちの方が安いという逆転現象が起きてますんで買うならこっちがお得。
青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!

青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!