エターナル・サンシャイン

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バレンタイン目前のある日。ジョエル(ジム・キャリー)は不思議な手紙を受け取る。
「クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。今後、彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。ラクーナ社」
クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)はジョエルが最近喧嘩別れしてしまった恋人。仲直りしようと思っていた矢先に、彼女が自分との記憶を消去してしまったことを知りショックを受けた彼は、自らもクレメンタインとの波乱に満ちた日々を忘れようと、記憶除去を専門とするラクーナ医院の門を叩くが・・・。



レンタル。結論からいうとこれは傑作。相変わらず藤子Fテイストなチャーリー・カウフマンの脚本がとにかく最高。それだけでなくて、今回はミシェル・ゴンドリーの「構成力(っていうのかな?)」が強く影響している。最近見たホワイト・ストライプス「The Denial Twist」のPV(サテメモ)や、個人的に大大大好きなチボ・マット「Sugar Water」のPV(MUSIC-VIDEODROME)みたいに、時間軸を狂わせておいて、何気にばらまかれた(ように見える)伏線をすごく意外なタイミングで回収するという手法(意味分かりますか〜?)がこの映画の中でも効果的に使われてました。
「記憶を映像化する」というと、ほとんどの監督が派手なCGで表現しそうなのを(「マトリックス」とか「トータルリコール」とか)徹底的にアナログな手法でやっていたり、ラクーナ社が「地味な歯医者」にしか見えないところも好感。そしてラストのあのあっさりさ!やろうと思えばいくらでも「泣ける演出」が可能だったはずなのに、あえてそれをやらないところがツボで逆に泣けました。同じく「記憶」を描いた「フォーガットン」とは正反対な演出でしたね(「親子」と「彼女」というのがそもそも違うんだけど)。どういう経緯でジム・キャリーにこんな地味な役を与えたのかは知らないんだけど、「ありがちなものを否定する」という意図だったとすれば徹底しているなぁと思いました。ま〜結局アレだよね。キチンと記憶を消したければ××に頼めってことだよね(映画の記憶が混在してます)。
あと、ラクーナ社ってホームページがあんのね。「それでも私は記憶を消したいの!」って方はアクセスしてみては。