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1970年代のフランス、何者かに拉致監禁され、長期にわたり虐待を受け続けた少女リュシー(ジェシー・パム)は自力で逃げ出し、傷だらけの状態で発見さ れる。養護施設に収容された彼女は心を閉ざしていたが、同年代の少女アンナ(エリカ・スコット)にだけは心を許していた。15年後、リュシー(ミレーヌ・ ジャンパノイ)は自分を監禁した相手を発見し、猟銃を手に犯人宅を訪れる。


改めてちゃんとしたレビュー。


「ショック! 残酷! 切株映画の逆襲」に載ってたパスカル・ロジェ監督のインタビューを読んだあたりから、自分の中で期待値がグングン上がっていた本作。辛抱溜まらず珍しく公開初日に観に行きました(会場は満員で立ち見が出ていた)。結論から言うと大傑作。超怖かったし、観終わった後にも色々と考えさせられることが多かったです。


本作の特長の1つが、ジャンル分けが難しいこと。「『トーチャー・ポルノ』じゃないの?」と言われそうだけど、実際はもっと複雑。特に前半は「誰がリュシーを虐待したのか?」「リュシーが復讐した家族は本当に加害者なのか?」という謎が多くてサスペンスタッチで進む。途中から「モンスター」的なキャラも登場しつつ、後半ある団体の登場で映画の雰囲気ががらっと変わる。ここから哲学的というか「神とは?」「人間とは?」「死とは?」といったかなり突き抜けたテーマまで出て来る大判振る舞い。さらにオープニングとエンディングが象徴するように、実はリュシーとアンナの「愛の物語」ともいえるので少なくとも単純なホラーではない。


ここからネタバレ入ります。

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