21世紀の「悪の華」-「ダークナイト」
悪のはびこるゴッサムシティを舞台に、ジム警部補(ゲイリー・オールドマン)やハーベイ・デント地方検事(アーロン・エッカート)の協力のもと、バットマン(クリスチャン・ベイル)は街で起こる犯罪撲滅の成果を上げつつあった。だが、ジョーカーと名乗る謎の犯罪者の台頭により、街は再び混乱と狂気に包まれていく。最強の敵を前に、バットマンはあらゆるハイテク技術を駆使しながら、信じるものすべてと戦わざるを得なくなっていく。
とんでもない映画だった。
今年の1位は(未見の「WALL・E」をのぞけば)、「ミスト」で決まりと思っていたら突然「ダークナイト」がやってきた。いや、正確に言えば「ジョーカー」がやってきた。
前作「バットマン・ビギンズ」はつい先日Blu-rayをレンタルして見たばかりなんだけど、本編にまったく面白いところがなくてがっかり。特典映像に「ダークナイト」の冒頭6分の「ジョーカーの銀行強盗」シークエンスがまるまる収録されていたので、何となく見たらひっくり返った。
コミックでもファンタジーでもない現実世界のゴッサム・シティの描写にも、まったくスキのないハードな演出にも驚いたが、やっぱりジョーカーの悪の魅力に打ちのめされた。「カリスマ」という言葉がここまで似合う悪役もいないだろう。
(以下、ネタバレ)