まじめにふまじめ-「ロボゲイシャ」

オフィシャルサイト

地味な少女ヨシエ(木口亜矢)は、芸者で美ぼうの姉の菊奴(長谷部瞳)の付き人として、毎日置屋でこき使われていた。ある日、お座敷にやって来た影野製鉄の御曹司であるヒカル(斎藤工)は、ヨシエが潜在的に驚くべき戦闘能力を持っていることを発見する。姉妹はヒカルの招待を受けて会社に出向くが、そこでいきなり拉致されてしまい……。


井口昇祭りその1。


楽しみにしていた「ロボゲイシャ」を観に行きました。劇場に行くとロビーに井口監督がいらっしゃっていたので慌ててパンフを購入してサインをしてもらいました。そういえば「片腕マシンガール」の時も同じように劇場でパンフにサインしてもらったんだよなー。そのまま予定になかった舞台挨拶も見れてラッキーでした。


ところが!上映中に音声が出なくなるアクシデント発生。しばらくして再開のアナウンスが流れたものの、それでも音声が出ない。このまま上映中止かと思われたが、20分程で復旧してどうにか上映再開。しかしその後も所々で音声が途切れ途切れになったりと、厳しい環境での鑑賞になりました。実際、誰かが怒鳴ったりしてもおかしくない状況でしたが、それでも上映終了後には拍手が!多分「映画が面白かったから今回は許してやるよ!」という拍手だったと思います。(その後、劇場からは無料鑑賞券をいただきました)


実際、映画はすごく楽しかった!「片腕マシンガール」のレビュー時にも書いたけど、井口監督の過剰な「サービス精神」に溢れていて素晴らしい。全編に渡って笑えるシーンが山盛りだし、ヨシエの下半身が戦車にトランスフォームする所はジーンと来ました。それでも誰が1番良かったかといえば、竹中直人だなー。「もーどーでもいいや」で腹抱えて笑った。なので「最初のシークエンスが後半のどこに繋がるのかさっぱり分からない」なんてどーでもいいや。


片腕マシンガール」と違って血はそんなに出ないので、それを不満に思う切株ラブな人もいるかもいるかもしれない。ここで、井口監督のお言葉。

僕が好きじゃないやり方は、いたずらに過激なものを作ればいいんだという考え方です。過激な表現をするには、それなりの理由が必要だと思うんですね。無責任に破壊とかやったらいけないんじゃないかな……責任、責任ですよね。『マシンガール』やった時も女子高生が片腕マシンガンにして人を殺しまくるけど、同時に責任も取らせなくちゃいけないと考えていました。
映画秘宝」2009年11月号より

片腕マシンガール』もそうでしたが、敵にも必ず家族がいるし、そのへんも描きたいんです。最近の事件で身勝手な奴が起こす犯罪っていうのが大嫌いなんで、それに対するアンチテーゼを描きたいんです。
ロボゲイシャ」オフィシャルサイトより


こういう井口監督のマジメな姿勢というのに個人的にはグッと来ます。今作でも確かに「もっと血が出ていた方が面白かったかも」というシーンはあったけど無くっても十分面白かったし、結果面白ければ全然問題なし。


ちなみに舞台挨拶で井口監督が言ってた「見所」はこんな内容。
・ヨシエの口元にシールドが出る場面で、井口監督が「キャシャーン!」と言ってる。
・志垣太郎が叫ぶシーンでの額の血管がものすごいことになっている。
松尾スズキのカットはほとんどNGカットを使用。
・天軍役の亜紗美は別の役もやってる。


最後のは結局分からないままなんだけど、他のはそのシーンが出て来た時点で爆笑しました。


片腕マシンガール」に続いて所長がビジュアルを担当してるのも個人的にはうれしい。低予算でセットや特撮に難があったとしても、最低でもポスターくらいはかっこ良くないとね。


そんなわけで、今作は血が苦手な人でも問題ないのでぜひカップルでも観に行って欲しい。オススメ。


(関連)
復讐者に憐れみを-「片腕マシンガール」-THE KAWASAKI CHAINSAW MASSACRE


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