音楽映画ベストテン
毎年恒例のベストテン企画、音楽映画ベストテンに参加します。
順不同です。
- ストップ・メイキング・センス(1984)
- 24アワー・パーティ・ピープル(2002)
- ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル(1980)
- さらば青春の光(1979)
- グランマ・ローファイ シグリドゥル・ニールスドッティルの秘密のカセットテープ(2011)
- ドゥ・ザ・ライト・シング(1989)
- ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ ~ア・トライブ・コールド・クエストの旅~(2011)
- (500)日のサマー(2009)
- ハッピー フィート(2006)
- ファントム・オブ・パラダイス(1974)
以下、ざっくり解説。
「音楽映画」と聞いて真っ先に思いついたのがこちら。トーキング・ヘッズのライブ映像だけど、彼らの事を知らない人でも間違いなく楽しめる。オープニングの時点でステージには何もなく、1曲演るごとにセットが組み上がっていく演出が新鮮で面白い。監督はジョナサン・デミ。
24アワー・パーティ・ピープル
ニュー・オーダーやハッピー・マンデーズがいたファクトリーレコードの栄枯盛衰を描いた映画だけど構成が変わってる。レーベル社長のトニー・ウィルソンが主人公で、同時に彼は狂言回しキャラでもあり、突然カメラ目線になって「この女は数年後に僕を捨てる」といったメタ的発言をするので混乱する。最近出たバーナード・サムナーの自伝によると、ファンから「あの映画の出来事は本当なのか?」とよく聞かれるらしい。彼はその度に「いいや」と答えて相手をがっかりさせた後に、「実際はもっと過激だった」と答えるそうだw。
ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル
『24アワー・パーティ・ピープル』のオープニングに重要な役どころで登場するセックス・ピストルズの映画。表向きはピストルズの伝記映画だけど、実際には事実とフェイクが絶妙に混じったある意味フェイク・ドキュメンタリー的な作品。同じジュリアン・テンプル監督で後に史実に基づいた『ノー・フューチャー』という映画も作られたけど、どちらが面白いかといえば、圧倒的に前者。そもそもタイトルが『偉大なロックンロール詐欺』だからね。騙されてナンボですよ。
映画を観た翌日にモッズパーカー買いに走ったくらい影響受けました。中二病的な人が観たら立ち直れないかもしれないので注意。ベルボーイ!
グランマ・ローファイ シグリドゥル・ニールスドッティルの秘密のカセットテープ
アイスランドに住むおばあちゃんのドキュメンタリー。彼女は70歳から宅録(パソコンではなく、簡易的なステレオを使ったピンポン録音)を始め、その結果7年間で59枚のアルバムを作成しました。音楽はもちろん、ジャケも作るし、レコード屋への卸も全部自分でやるDIY精神のお手本のようなおばあちゃんの愛らしさと、それをイロモノとしてではなく素直に受け入れるアイスランドの音楽シーンの懐の広さに癒されます。ムーム等アイスランドのミュージシャンがゲスト出演してるのも嬉しい。
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HIP-HOP、ブラック・カルチャー、人種問題、ファッション、ラジカセから大音量で流れるパブリック・エネミーの「FIGHT THE POWER」、そして暴動。そのどれもが衝撃的で、若い頃に相当影響を受けました。ラストで和解するみたいな安易さで終わらないのも好きです。
ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ ~ア・トライブ・コールド・クエストの旅~
HIP-HOPからもう一本。大好きなア・トライブ・コールド・クエストのドキュメンタリー。メンバーの病気や軋轢などが赤裸々に語られてて観ててちょっと辛くなりました…。先日メンバーの一人、DJ ALIが来日して1stアルバムの25周年記念盤にサインして貰ったので、その記念にランクインw。
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若い頃にザ・スミスを聴いて、今でもジョイ・ディヴィジョンのTシャツとか着てる自分にとっては、劇薬としか言えない危険な映画。自意識が高く屈折した青年に、エレベーターで「私もその曲好き❤️」なんて安易に言っちゃダメ、絶対。
ハッピー・フィート
音楽映画というよりダンス映画に近いかも。『マッド・マックスFR』のジョージ・ミラー監督がその前に手がけたのが本作(1&2)。歌のうまさでヒエラルキーが決まるペンギンの世界で、音痴で世界に馴染めない主人公が孤軍奮闘して仲間を救おうとするんだけど、その姿にマックスを重ねるのもありだと思う。
当初はちょっとベタ過ぎる気がして入れないつもりだったんだけど、昨晩BSで放送されてるのを観たらやっぱり面白くてランクイン。『セッション』もそうだけど、素晴らしい音楽は狂気から生まれるという面白さと哀しさ。