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好きで生まれたわけじゃない - 『スプライス』

科学者のクライヴ(エイドリアン・ブロディ)とエルサ(サラ・ポーリー)は倫理に反し、人間と動物のDNAを配合する実験を開始する。実験は成功し、これまで誰も目にしたことのない新生命体がこの世に生まれ落ちる。二人はその新しい生命体にドレンという名前を付け、誰にも知られないように育てることにするのだが……。


オフィシャルサイト


スプライス』観ました。面白かった!クリーチャーデザインが秀逸!


↓生まれたての赤ちゃん。よしよーし。


↓大きくなったらビョークたんに似てる。



ザ・フライ』や『スピーシーズ』を思い出す本作は「DNAをいじるのは倫理的にダメー」という類の映画ではあるけれど、それよりも「子供を産むことの恐れ、育てることの難しさ、危うさ」みたいなものがテーマとして比重が大きいように感じました。主人公科学者がカップルだしね。


この科学者カップルは優秀ではあるけれど、とにかくダメ。人としても科学者としても色々ダメで観ていて頭抱えてしまった。劇中「やっていい事と悪い事があるでしょう!」と激高して叫ぶエルサに全員が「お前が言うなあああ!」と突っ込んだことだと思う。


そんなダメカップルの2人だけど、ちょっとだけフォローしておく。


赤ん坊というのは本当に無力なので、放ったらかせば死んでしまう。生まれたばかりのドレンもそのままにしてれば死んだはずだ。でも彼らは彼女を救った。そこには確かに科学者としての興味やエゴもあったかもしれないが、それ以上に目の前で死んでいく者を黙って放っておくことができなかったのだと思う。その気持ちだけは認めてあげたい(たとえ結果的に間違っていたとしても)。


(追記)
映画感想 * FRAGILE(LINK)、Devil’s Own −残骸Calling2−(LINK)の感想を読むと、「クライヴは殺す気だった」とあるので、ここは私の読み違いかもしれません。
(追記ここまで)


しかし、結果として彼らは彼女を救ったことに対する重過ぎる代償を払う事となる。最初こそ「守ってあげる」対象だった子供は次第に(やや特殊ではあるが)成長し、自我を持ち、親に反抗するようになる。当たり前だ。子供は人形ではない。


劇中はっきりと言及されないけれど、エルサは子供の頃母親に虐待されていたように描かれている。そのような過去を持つ彼女がドレンに対して行う仕打ちは観ていて辛い。ドレンは確かに遺伝子上人間ではなく、実験の為に作られた「怪物」ではあるが、「望まれずに作られた」という意味においては全ての人間も同じだといえる。これはドレンとこのカップルだけの話ではないのだ(もちろんやや特殊な例ではあるけれど)。


なんて書くとエラくシリアスな映画と思うだろうけど、私ほぼ全編ニヤニヤ笑いながら観てた。この映画はいわば、負のドミノ倒しのようなところがあって、やる事なす事全てが裏目に出ちゃうのだ。その展開も意外性は皆無で「こうなるんだろうな」と思った以上のダメな展開のオンパレード。「ジンジャー&ブレッド」のお披露目とか最高だったw。コメディというにはヘビー過ぎるけど、そのくらい軽い気持ちでご覧になることをオススメ。


(その他)
・とにかくこのカップルは『おまえうまそうだな』を100回観てから出直して欲しい。
・あることをやってる途中で「ばさー!」ってなるのが超受けた。
・こんなオシャレな科学者がいるかー。
・部屋のポスターの日本語がおかしい。ワザと?