Guilty Pleasures(ダサいけど好きな曲)
正直言って惰性で見ている感じがある『glee』シーズン4ですが、先日観た17話がなかなか面白かった。タイトルは「 どうしても止められない! (Guilty Pleasures) 」 。つまり、「恥ずかしくて誰にも言えないけど、実はこの曲大好きなんだ!」という秘密をカミングアウトして歌おうという企画で、番組中に披露されたのはこんな曲。
ワム『Wake Me Up Before You Go-Go』(邦題『ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ』)
フィル・コリンズ『Against All Odds』(邦題『見つめて欲しい』)
アバ『Mamma Mia』
要するにこれらの曲やミュージシャンはアメリカのティーンにとって、決して「好き」とは言えない「ダサさの象徴」なんですね。先日読んだ「ブラックカルチャー観察日記」にも、黒人はラップやソウル・ミュージック以外(カントリーとか)を聴くと「変人」の烙印を押される、と書かれてましたが、アメリカにはそういった「〜以外を好きと言えない」空気ってのが日本以上にあるようです。
とはいえ、ドラマの中では高飛車でビッチキャラのキティが実は「スパイス・ガールズが好き」と判明し、バカにされるのかと思ったら他の女子全員が「実は私も好きー!」と告白し盛り上がってました。なんだよ皆好きなんじゃん。
さて、そんな「ダサいミュージシャン」エピソードで一際目立っていたのがバリー・マニロウ。「オレ、実はバリー・マニロウが好きなんだ」と告白するサムに、ドン引きするブレインがおかしかった。
バリー・マニロウで思い出されるのは『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』。普段はクラシックしか聴かない知的キャラな半魚人エイブと、がさつでボンクラキャラのヘルボーイの2人(?)が、そろいも揃って恋に悩んだ末に、バリー・マニロウの『Can't Smile Without You』(邦題『涙色の微笑』)を熱唱するシーンはアメコミ映画の中でも屈指の珍場面と言えるでしょう。
↓熱唱する2人の映像。ドギマギするエイブが超かわいい
↓酔っぱらって「女ってのはよぉぉ〜」と愚痴る非モテ2人
このシーンについて監督のギレルモ・デル・トロはこう言ってます。
自分は若い頃、ミリタリー・ファッションに身を包み、セックス・ピストルズやAC/DC、ヘビメタ調の曲を好んで聴いていましたが、恋しているときにこっそり聴いていたのが実はバリー・マニロウなんです。これは大きな秘密だったんですが(笑)。劇中で2人がバリー・マニロウを聴いて歌うっていうのはいいアイデアだなと考え、この選曲をしました。エイブは普段からモーツァルトやヴィヴァルディを好んで聴く硬派、一方のヘルボーイは身体が大きいタフガイ、その2人がバリー・マニロウを聴くシーンを入れることによって、彼らの違った側面が描けると思ったんです。
バリー・マニロウ | インフォメーション | Sony Music
監督にとっての「Guilty Pleasures」がまさにこの曲だったんですね。ちなみにスタッフ全員からこのアイデアは大反対されたそうですが、監督が強引に採用したそうですw。私は好きだけどなー。
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