あげぽよ〜声優問題 - 『モンスター・ホテル』
モンスターがくつろぐための場として、ドラキュラが故郷のトランシルバニアに作ったモンスター・ホテルで、彼は一人娘メイビスを大切に育ててきた。そんな彼女の118歳の誕生日を祝うべく世界中のモンスターが集まっている館に、人間の若者ジョナサンが迷いこんでしまう。そのことが仲間に知れる前に彼を人間界へ戻そうとするドラキュラだったが、あろうことかメイビスとジョナサンが恋に落ちてしまい……。
川崎で『モンスター・ホテル』3D吹替え版を観ました。今回は字幕版での上映はないそうです。
本作は日本ではそんなに宣伝にお金をかけてるようには思えないんですが、現在アメリカ本国では大ヒットしていてこんなニュースも出てます。
コメディー俳優アダム・サンドラーやセレーナ・ゴメス、スティーヴ・ブシェミが声の出演を果たした新作ファミリー向けアニメ映画『モンスター・ホテル』が、先週トップだった映画『エンド・オブ・ウォッチ(原題) / End of Watch』をトップの座から引きずり下ろし、4,252万ドル(約34億160万円)をたたき出して全米ナンバーワンに輝いた。この記録は、これまで公開された歴代の9月封切り作品のデビュー週末興行成績の歴代トップ。
歴代の9月封切り映画興収新記録を達成した『モンスター・ホテル』がトップに! -10月1日版【全米ボックスオフィス考】 - シネマトゥデイ
ちょっと面白いのは、日本での予告編やポスターではドラキュラの1人娘メイビスを推してるんですけど、アメリカ版(原題は『Hotel Transylvania』)ではそうでもないんですよね。このあたりの感覚の違いというのはちょっと不思議で面白いです(実際メイビスは超かわいいので推したくなる気持ちは分かる)。
それはさておき、本作は個性豊かなモンスター達と招かれざる客である人間のジョニーによるノリの良いドタバタ劇でとても楽しく、一緒に観てた娘も爆笑してました。子煩悩で一人娘を危険にさらしたくないドラキュラ父さんと、外の世界に興味津々の娘という構図は、ちょうど先週3D版で観た『ファインディング・ニモ』を彷彿とさせましたし、本来は「人間を脅かす立場」であるモンスターが、実は「人間を怖がっている」という逆転現象については、同じくピクサーの『モンスターズ・インク』のようでした。
ただし、個人的に気になったのが吹替え。「吹替えに声優ではなく、芸能人を起用して〜」という問題は以前からよくありましたが、今回は少しだけ事情が違いました。主役であるドラキュラはおなじみの山寺宏一でこちらは当然問題無し。ヒロインであるメイビスの吹替えの川島海荷も特に気にはならなかったのですが、問題はジョニーの吹替えの藤森慎吾(オリエンタル・ラジオ)。
このジョニーというキャラクターは世界中を旅するバックパッカーであり、極めてノリが軽く、パーティーで盛り上がることが大好きな今時の若者という設定なので藤森が起用されたというのは一応理解できます。声優としての技量も決して「下手」というわけではないんですが、あまりにも芸人藤森による「暴走したチャラ男」そのままなので、結果的にジョニーではなく藤森としか思えなかったです(「君、きゃわいいねぇ〜」とか言っちゃう)。
本作では頭が固い旧世代ドラキュラと今時の若者ジョニーの凸凹コンビによるジェネレーションギャップを楽しむという側面があるので、日本語吹替えとしてギャルっぽい単語を入れたくなる気持ちは分かるんですけどね。いくら何でもやり過ぎと思いました。ただし最初に書いたように今回は吹替え版オンリーにつき選択肢がありませんのでどうしようもないのでした。せっかく面白いのにちょっと残念。