薄幸少女の逆襲 - 『エンジェル・ウォーズ』

幻想的な世界に閉じ込められたベイビードール(エミリー・ブラウニング)は、バーチャル兵器を使いこなす4人の女戦士を集め、自由を求めて戦うことに。想像の世界の中でワイズマン(スコット・グレン)の手助けを受けた彼女たちは成功すれば自由を手に入れることができるが、そのためにはある犠牲を強いられる運命にあった


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そんなわけで初日に『エンジェル・ウォーズ』(a.k.a『SUCKER PUNCH』)字幕版を観ました。ネット上は早くも賛否両論入り乱れて大盛り上がり状態。


直接的なネタバレは避ける方針ですが一切情報を入れたくない方は読まない方が無難かと思います。







私は正直あまりノレませんでした。本作は3層構成になっていて、「現実」パート(精神病院)、「妄想パート1」(娼婦館)、「妄想パート2」(戦場)と別れています。「現実」が悲惨だから、妄想へ逃れるという流れであるべきなのに、この現実パートがほとんど描かれないままいきなり「妄想パート1」へスライドしてしまうことで、「現実」が置いてけぼりになってしまう。結果、『未来世紀ブラジル』や『パンズ・ラビリンス』のような、「悲惨な現実」と「困難を伴うものの、現実よりは遥かに幸せな夢の世界」の対比という面白みはほとんど感じられませんでした。


もしかすると、「現実」すらもはっきりさせない事で、観客に「何が現実か」を分からなくさせる意図等があったのかもしれませんが、いずれにしてもあまりいい結果が得られてるとは思えませんでした。もっと単純な2層構造にした方が、シンプルで面白かったんじゃないかと思います。


てな感じにマジメに論じることもできると思いますが、私にとってもっともっと重要だったのは、ベイビー・ドールことエミリー・ブラウニングがあんまりかわいく撮れてなかった、ということの方が何倍も重要なんですけどね!!!


レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』より



アレ、この人誰だっけ?


『レモニー・スニケット〜』の時はゴス風衣装も手伝って、薄幸なんだけど頭が良くて勇気のある少女を堂々と演じてました。本作のミニスカ女子高生ルックに金髪ツインテールかつ厚化粧ってのはエミリーたんにあんま似合ってないと思うのよ。つか、オレの好みじゃないってだけなんだけどさ!!!


大体、エミリーたんが戦闘やダンスの才能があるように見える?がんばってもがんばっても薄幸少女から抜け出せないのが彼女の持ち味でしょ!


なんて思っていたら、ラストであんなことになって見透かされた気分になった私なのでした。ザック、やっぱ結構分かってる男かも。最後のオチこそが私にとっては「SUCKER PUNCH」(不意の一撃)でした。


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