最新CGだけど世界観は80's - 『トロン・レガシー』
デジタル業界のカリスマ、ケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジス)が謎の失踪(しっそう)を遂げてから20年たったある日、27歳に成長した息子サム(ギャレット・ヘドランド)に父ケヴィンからのメッセージが届く。サムは、父ケヴィンの消息を追って父のオフィスに足を踏み入れるが、そこには衝撃的な真実が待ち受けていた。
お正月に川崎IMAXで『トロン・レガシー』観ました。オリジナル版を観たのがはるか昔なので、一応DVDで観直した上で本作に望みましたがこれが正解。基本的には前作と同じような話で、同じキャラが出て、同じようなガジェットやモービルがバージョンアップして出て来るので興奮しました(1本の映画として楽しいかどうかは別問題だが楽しいんだからいいのだ)。最新CGだけど、世界観は80'sで止まったまま。
おおざっぱに言うと、これって『死霊のはらわた2』みたいなもんだよね。1作目では予算もあんまなくてできなかったことを、世界観はそのままに、2作目を続編という事実上のリメイクとしてバージョンアップして楽しんじゃえ!っていう。なのでオリジナルの世界観が好きな人ならそこそこ楽しめるんじゃないかな。そうでなくて『アバター』を超える3D体験!みたいな宣伝に釣られて観に来た人にはどう映ったんだろう?そもそもタイトルである「トロン」がどういう存在なのかも分からないんじゃなかろうか?
映画的には中盤以降(なんかデカイ船で移動するあたり)から急に失速するんだよね。一応「世界の終わりだ」「危機一髪!」なシーンなのにあんま緊張感がなくて。一応タイムリミットみたいな設定があるんだし、もっと活かして欲しかった。
ピクサーのジョン・ラセターは『トロン』を観て初めてCGの世界に興味を持ったわけで、つまり『トロン』なしではピクサーも『トイ・ストーリー』も生まれなかったかもしれない。不満はなくはないけど、そんな偉大なオリジナルへの敬意は感じられたんでそこは良かった。
お話としては、ドラえもんの秘密道具でコンピューターの世界に入っちゃってさぁ大変!みたいなもんなので、過度の期待をせずに、前作を復習した上で観るとそれなりに楽しいと思います。
(その他)
・お父ちゃんと食事するシーンは『2001年宇宙の旅』オマージュかね?つか、あの世界での食事ってどういう意味があんだろ?
・『攻殻機動隊』?ワールド・ワイド・ウェブ?何それ?
・クオラたんはもうちょっと「敵か味方か分からない謎キャラ」でいて欲しかった。
・『リトル・ランボーズ』では80年代の象徴が、スージー&ザ・バンシーズやキュアーだったのに対して、本作ではジャーニーやユーリズミックスなのな。
・ダフトパンクの起用は大正解だと思うけど、音楽の出来上がりは今イチで残念。
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