ちょっと安直? - 『ヒックとドラゴン』
以前より、バイキングとドラゴンとの戦いが続いているバーク島。ある日、平凡な少年、ヒックはケガをしたドラゴンのトゥースと偶然に出会う。本来なら敵同士であるヒックとトゥース。しかし、二人の距離は少しずつ縮まり、やがて誰にも知られないように友情を育んでいく。
飛行機の機内の小さなモニターごしに、しかも食事しながらというかなり特殊な環境で観ました。ゆえに3D映像の迫力等はよく分かっていません。
ディーン・デュボア&クリス・サンダース監督の前作『リロ&スティッチ』は、決していい子でもかわいい子でもないリロがキュートで結構好きだったんですが、後半のご都合主義的な展開がダメでちょっと残念な印象でした。
今作は少なくとも過去のドリームワークス作品の中では1番いい出来だし、よくできているとは思いますが、やっぱりというか後半ちょっとひっかかった点がありました。
以下、微妙にネタバレにつきたたみます。
後半に、真の悪役といえるあるキャラクターが登場しますが、「こいつをやっつければ万事解決」というのは、子どもが観る分にはいいけど、大人が観るにはちょっと単純過ぎるし、安直だと感じました。この「悪役」に仕えなければならなかったドラゴン側の事情とかもうちょっと考慮してもいいんじゃないかな?
この「悪役」を倒すべく人間とドラゴンが手を結ぶ場面でも、これまで散々殺し合いをやってきてるんだから、1人くらい「自分の家族や友人を殺したドラゴンと仲間になんかなれるか!」と拒絶する人がいてもいいと思うんですよね。それがないので、「その程度の確執だったの?」って感じがしました。「憎しみだけでは何も生み出さない」というのは分かるんですけど、憎しみの矛先が変わっただけなような気もするし。
ただ、ラストにおいて主人公ヒックが負う運命については、よく描いたなと思うし感心しました。評判のわりには動員数が伸びていないと聞きますが、観て損がない作品だと思うし、親子連れで観るのもいいと思います。
(その他)
・wikiを読むと原作はかなり違う話のようですね。
本書は、バイキングの英雄となったヒック・ホレンダス・ハドック三世が少年時代を回想するという形式で進められる。
バーク島のモジャモジャ族には、ドラゴンを捕えて飼いならすことができる者のみが一人前とみなされ、出来ない者は一族から追放されるという掟があった。一族のリーダーの息子のヒックはなんとかドラゴンを捕えることができたものの、それは歯無し(トゥースレス)でチビなため、皆から馬鹿にされた。そんなヒックとトゥースレスが巨大なドラゴンを退治しようとする。
ヒックとドラゴン - Wikipedia
「伝説のドラゴン」のはずのトゥース(実際はトゥースレス)が全然強そうに見えないのはこういう背景のせいかも。
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ヒックとドラゴン〈1〉伝説の怪物 (How to Train Your Dragon (Japanese))
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