思いつき劇場『第K地区』
20××年 川崎
娘-お父さん話があるんだけど。
父-何だい?
娘-実は...紹介したい人がいるんだ。
父-おぉ、そうか。じゃあ週末に家に連れて来なさい。
娘-うん、ありがとう。
父-あの小さかった娘がもうそんな年齢になったんだなぁ...(しみじみ)。
週末
娘-お父さん彼を連れて来たよ。
父-ほっほっほっ、やぁいらっしゃい。って...、何でエビがいるんだああ!?
娘-お父さん、エビなんて失礼よ!
エビ-%$#$&%
父-だって、まさかエビ連れて来るなんて思わなかったし。そりゃ20年前に川崎上空に謎の宇宙船が現れて、それ以降川崎区(通称「第K地区」)にエビの収容施設ができたのは知ってるけどさぁ。
娘-エビ、エビ言わないの。ちゃんとクリストファーって名前があるんだから。
父-そ、そうだな。お父さんはこう見えても人を外見で判断したり差別したりはしないぞ。やっぱり人間中身が大事だからな。人間じゃないけど。
娘-さぁ、食事にしましょう。クリストファーは猫缶でいいよね?
エビ-♡!!%$#$&%
父-うわぁ、猫缶食ってるよ...。ク、クリストファー君、施設の居心地はどうかね?
エビ-...%??$#&
娘-最悪だって。スラム化して今も治安が悪いのにもっとひどい別の収容所に移送されるらしいよ。でも私と結婚して住民票もらえれば行かなくて済むんだって。
父-ぶはぁ!(お茶ふいた)け、結婚だとぉ!ゆ、許さん!お父さんは許さんぞ!
娘-言い忘れたけど、かわいい息子さんもいるんだよ。お父さんいきなりおじいちゃんだね。
父-誰がおじいちゃんだぁ!って、家で立ちションすんなああああ!!!
娘-しょうがないでしょ。スラム化してろくな教育受けてないんだし。それもこれも人間が悪いんだよ。彼らにちゃんとしたケアをしてあげないから。
父-こいつらが勝手に来たんだろうが!助けてやったら何かすごいテクノロジーの見返りとかあるかもと思っていたら、犬猫みたいに数だけ増えやがって!しょせんお前等エビはオレ達地球人の下僕なんだよ!おとなしく収容所で生体実験でも受けてればいい...。
(ドドドドド!!!)
粉々に吹き飛ぶ父。手に巨大な銃を持つクリストファー。
エビ-...やっぱりダメだったみたいだね。
娘-そうね。大人しく家族として受け入れてくれたらその見返りにこのテクノロジーを使って一財産築くこともできたのにね。
エビ-結局地球人は我々を受け入れてはくれないのさ。じゃあこれで地球人との最終戦争を開始する許可をくれるかい?もちろん君は助けるけど。
娘-かまわないわ。私もこの世界がつくづくイヤになったから。戦争が終わったらあなたの星に連れて行ってくれるんでしょ?
エビ-もちろんだよ。息子には母親が必要だからね。
(ピンポーン)
ヴィカス-すいませーん。この書類にサイン欲しいんですけど?
(ガチャ!)
※今回のネタは空中キャンプさんのエントリがヒントになったことを告白します。