食べ物ディザスター・ムービー-「くもりときどきミートボール」
偉大な発明家にあこがれながらも風変わりな発明で街の人々に迷惑をかけているフリント(ビル・ヘイダー)は、朝から晩までイワシ料理を食べている街の人々に美味しい物を食べさせるため、“食べものマシーン”を発明する。コップの水がミートボールやチーズバーガーに変わり、変人扱いだったフリントは街のヒーローとなるが……。
現在USでは興行成績1位という「くもりときどきミートボール」(3D吹替え版)を娘と観に行きました。
第一印象は「ドラえもんみたいな映画」。「こんなこといいな、できたらいいな」と思っていたことがちょっとしたアクシデントにより現実となる。当初はみんなハッピーだったがだんだん雲行きが怪しくなって...という黄金パターン。
面白かったのが、主人公フリントと女性天気予報士サムがともに「ガリ勉」で学校では浮いた存在だったというコト。そんな自分を恥じてるサムは「カワイイだけが取り柄のバカっぽい娘」という世間受けするキャラクターをワザと演じていたのだが、そんな彼女にフリントは「ありのままの自分でいいよ」と諭すのだ。ここはかなりカンドー的。それにしても、ガリ勉=イケてないってコトはまったくないよなぁ。「本来の姿」に戻ったサムの方がずっとかわいいしかっこよかったよ。
あと、ストーリーの軸となるのがフリントと父との確執。昔気質で「いいかげんにマトモな職につけ」としか言わない不器用な父が息子のため、町のために奮闘するシーンは泣けます。
空から食べ物が降ってくる描写はさんざんCMでも観ていたので最初は「ふーん」って感じだったんだけど、後半「食べ物マシーン」が制御不能になり超巨大な食べ物がノンストップで大量に降ってくるようになったあたりからあまりのカオスっぷりに大爆笑してしまった。巨大なホットケーキが学校を覆い尽くし、スパゲッティの竜巻が起きるなんてどんなディザスター・ムービーだ。
相変わらずビビリの娘は半分くらい3Dメガネを外したまま鑑賞してましたが、それでも「巨大ゼリーの城」等が気に入った模様でラスト近くはがんがん泣いてました。正直観る前は全然期待してなかったんですが、意外なくらい面白くて親子で観るのにはちょうど良いと思います。
さらに映画鑑賞後に原作となった同名の絵本も読んでみた。
- 作者: ジュディバレット,ロンバレット,Judi Barrett,Ron Barrett,青山南
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 2004/06
- メディア: 大型本
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これがまったく映画とは異なる内容だったのでびっくり。原作ではおじいちゃんが孫に聞かせるベッドタイム・ストーリーで、フリントやサムを初めとした町の住人は誰も登場しない。食べ物が降ってくる理由も明かされず、町が食べ物に飲み込まれる原因も不明のまま。結局町の住人はこの町を捨てて逃げ出すだけなのだ。つまり「空から食べ物が降ってくる」というアイデアしか共通項がない。
謎は多いけどシンプルな原作と、原作を元にアレコレ付加したド派手な映画版。趣は違うけどどちらも楽しめました。オススメ。
(その他)
・PIXAR作品だと日本語吹替え版の時は、映像の一部を日本語にする等配慮があるけど、そういうのはなかった。
・今回は全員プロの声優さんだったのでストレスなく鑑賞できた。ギャガもちょっとは見習って欲しいぞ。
・本編始まる直前に劇場入りしたら「カールじいさんの空飛ぶ家」の3D版予告編やってて見逃した...。
(関連)
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