メアリー・ブレア展-東京都現代美術館
ウォルト・ディズニーに才能を見出され、「シンデレラ」(50)、「ふしぎの国のアリス」(51)、「ピーター・パン」(53)といったディズニー・アニメの往年の名作でカラースタイリストを担当。また、ディズニーランドの人気アトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」のデザインも手がけた女性アーティスト、メアリー・ブレア(1911-78)の日本で初めての展覧会「メアリー・ブレア展」がスタジオジブリ協力のもと、東京都江東区の東京都現代美術館(MOT)にて7月18日から10月4日まで開催されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090721-00000008-eiga-movi
娘を連れて「メアリー・ブレア展」に行ってきました。彼女のことは全然知らなかったけど、「ふしぎの国のアリス」のコンセプト・アートを描いた人というので興味を持って出かけたらこれが大当たり。
「ふしぎの国のアリス」の完全に狂っているのにギリギリでかわいく見える世界、でもちょっと目線を変えただけで恐ろしく見えてしまう世界。メアリー・ブレアの描いたこれらのコンセプト・アートが映画に与えた影響は限りなく大きいことがよく分かった。つーか、この原画がそのまま動いたら完璧。
「イッツ・ア・スモールワールド」のデザインも同様に、一見かわいいんだけど、どこか生理に反した感覚があって一度見たら忘れられない。アレは昼間に見るからかわいいんであって、夜に見たらきっと怖いよ。悪い夢を見るよ。
画集を購入したら「モンスターズ・インク」の監督ピード・ドクターからのメッセージが載っていた。
ピクサー・アニメーション・スタジオで監督したどの映画でも、メアリー・ブレアのことが僕の頭から離れなくなる重い症状をわずらう時期があった。他のアーティストたちと僕は彼女の絵でアート・ルームの壁を埋め尽くした。僕たちはそれらを何時間も研究し、彼女がどうやってあれこれの効果を達成したか解読を試み、彼女が成し得たことを少しでも僕たちの映画でとらえようとあがいた。
http://www.ntv.co.jp/mary/about/09.html
普通だったら暖かい感情を現す為に暖色を使う、みたいなセオリーがあるけど、彼女はそういった理屈ではなく感覚で絵を描いているように思える(女性特有の感覚?)。だからピート達はこの絵がどうして見る者に「ある感情」を持たせる効果を生むのかを解読しようとしたのだ。
そしてその結果は映画「モンスターズ・インク」と、その副産物であるコンセプト・アート集「ジ・アート・オブ・モンスターズ・インク」になった。私はこの本が大好きだったので、(私の中で)ピートとメアリー・ブレアが繋がって少しうれしかった。
(関連)
メアリー・ブレア展@東京都現代美術館 - 雨宮まみの「弟よ!」
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