実は笑える映画-「グラン・トリノ」


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妻に先立たれ、息子たちとも疎遠な元軍人のウォルト(クリント・イーストウッド)は、自動車工の仕事を引退して以来単調な生活を送っていた。そんなある日、愛車グラン・トリノが盗まれそうになったことをきっかけに、アジア系移民の少年タオ(ビー・ヴァン)と知り合う。やがて二人の間に芽生えた友情は、それぞれの人生を大きく変えていく。


イーストウッド監督作品をほとんど見ていない私が言うのも何ですが第一印象は「キレイにまとまり過ぎ」。全然違う作品だけど「ロッキー・ザ・ファイナル」見た時にも同じことを考えた(どちらにもジェラルディン・ヒューズが出ているというのは多分偶然)。特にラストのイーストウッドが取った「あのポーズ」がなぁ...。ちょっと「あざとい」と思えちゃった。


なんて書いては見たけど、映画としてはとてもよくできていてかなり楽しみました。巡回先のレビュアーが口々に「男泣き必至」と書いていたので、人の5倍くらい涙腺がユルい私が見たらどーなるの?とか思っていたら、逆にゲラゲラ笑ってばかりだった。特に床屋での「男同士の会話講座」(上の写真)とかサイコー。


そんなコメディタッチで進むからこそラストのあの展開に涙する、という人達の意見はもっともなんだけど、なぜだか自分にはあまり響かず。考えられる理由の1つは「これで俳優業を引退する」と噂されてるイーストウッド本人に思い入れがまったくないこと。もう1つは「実の息子」との関係が変化するのか?と一瞬思わせといてそのまんまスルーされたこと。最後の最後に実の息子にもちょっとした変化が欲しかった。グズグズ言い続ける嫁や娘をぶん殴るとかさー(でもそこまでやると蛇足っぽくなるかもね)。


ここまで書いて気がついたけど、これって私自身が「実の家族の絆」に対して無意識に期待してるのかも...。やーねー。