コーマック・マッカーシー「ザ・ロード」
何でもないようなことが
幸せだったと思う
何でもない夜の事
二度とは戻れない夜
間違った。これは「ロード」だ。
- 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/06/17
- メディア: ハードカバー
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世界は本当に終わってしまったのか?
滅びゆく大陸を漂流する父と子の壮絶な旅路を描く、巨匠の代表作。
ピュリッツァー賞受賞。
そんなわけで、「ザ・ロード」読了。ふだんそんなに本を読まないんだけど、「ノー・カントリー」の原作者が書いた「終末の世界に生きる父と息子の物語」という超好みな内容と、ヴィゴ・モーテンセン兄貴主演で映画化決定してるという話題性もあったので図書館で借りて読みました。
結構軽い気持ちで読み始めましたが、後半ページをめくるのが辛かった...。面白くないわけではない。確かに分かりやすい敵が登場、みたいなエンターテイメント性はほとんどないし退屈と受け取る人もいるだろうけど、個人的にはリアル過ぎる「終末の描写」にしびれてしまった。めくるのが辛かったのは、まるで「ミスト」のラストちょい前のような状況下が延々と続くからだ。
始まった時点ですでに絶望的な状況。息子を連れて南を目指す旅は、フロドの旅よりも厳しい。幾度となく訪れる危機。その都度「ここで死んだ方が自分にとっても息子にとっても幸せなのでは?」という疑問。それでも旅を続ける親子。読んでて胃がキリキリ痛くなったよ。
親子の会話がすごくいい。
友達はいた?
ああ。いたよ。
たくさん?
うん。
みんなのこと憶えてる?
ああ。憶えてる。
その人たちどうなったの?
死んでしまった。
みんな?
そう。みんな。
もう会えなくて寂しい?
うん。寂しい。
ぼくたちどこへ行くの?
南だ。
もう、これだけでも泣けてくる。ラストは鼻水垂れ流して読みましたよ。
終始、ヴィゴ兄貴を思い浮かべながら読んでました。読了後に映画のシーンを検索。
兄貴、怖い...。
どこまで原作に忠実に作られてるか分からないけど、映像化したらかなり地味そうだなぁ。そしてエンディングにこの曲がかかるんだよ。
何でもないようなことが
幸せだったと思う
何でもない夜の事
二度とは戻れない夜
意外にマッチしてて余計にイヤ。
最近、日本だけエンディング・テーマを替えたりするから*1あり得ない話じゃないかもよ。
- 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行
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