ジョン・ゾーンについて

最初に断っておくと、ジョン・ゾーンの特別なファンというわけではなくて、音楽もほとんど聴いた事がない。でもずっと「気になる人」だった。


何でジョン・ゾーンの話をするかというと、先日見た「ファニーゲームU.S.A.」にジョン・ゾーンのバンド(ユニット?)Naked Cityの曲「Bonehead」が使用されていたから。この曲が流れた瞬間に自分の中でこの映画の評価がグンとはね上がった(初めて聴いた曲なのに)。そんな音楽を作ったジョン・ゾーンとはどういう人なのか?

ジョン・ゾーンJohn Zorn、1953年9月2日-)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州出身のサックス奏者。フリー・ジャズ、前衛音楽、グラインド・コアなどの様々な音楽を吸収しており、ジャンルを特定するのは困難。

ジョン・ゾーン - Wikipedia



自分がジョン・ゾーンの名前を知ったのは多分90年代始め。雑誌(「宝島」だったかな?)でNaked Cityの広告を見てびっくりしたのが最初。そのジャケがこちら。


↓「グラン・ギニョール」


↓「拷問天国」(「Bonehead」収録)

"TORTURE GARDEN(拷問天国)"は日活ロマンポルノに触発されて作ったアルバム。
全42曲だが全部合わせても40分を超えない。音楽の断片と山塚アイのシャウトが骨格となっている。どの曲のタイトルもまともに読めない代物。39曲目だけが音楽的にも唯一の救いである。
後は痰を吐いたり(42曲目)、蛙が鳴いてたり(32曲目)、意味不明な世界が繰り広げられる。

http://homepage1.nifty.com/~ujaku/index/zorn/nakedcity.htm

ネイキッド・シティ - ビル・フリゼール、フレッド・フリス、山塚アイハナタラシボアダムス他)らと結成したアヴァンギャルド・ユニット。ジャケットに用いられているen:Weegeeの写真集"Naked City"(邦題『裸の街』)と同様の世界観を持つ。

ジョン・ゾーン - Wikipedia


音を聴かなくても「何かヤバそうだ」と直感した。今考えても信じられないが、これらはミスチル等で有名なTOYS FACTORYから日本盤として発売されていたのだ。ただし、当時このCDを買う事はなく、発売から18年後に先の「ファニーゲームU.S.A.」の中で初めて曲を聴くことになった。


そして同じく90年代始めに別の方向からジョン・ゾーンの名前を聞くことになる。当時(つか、今でも)私は玖保キリコが好きで特に「シニカル・ヒステリー・アワー」のファンだった。その「シニカル〜」が88〜89年に玖保キリコ自身が監督をしてアニメーション映画になった(1話約8分の短編が4本)。限定的な上映だったのでその時は見ることができなかったが、音楽をジョン・ゾーンが担当しているという。


ジョン・ゾーンって...あの、ジョン・ゾーン???


私の中で「拷問天国」のジャケと、「シニカル〜」の絵柄が交錯してひどく混乱したのを覚えている。



「シニカル〜」の映画はその後ビデオ化され、無事に見ることができた。音楽はサイケデリックで奇妙なものだったけど、そんなに違和感はなかった(と、記憶している)。最近まで知らなかったけどサントラCDも発売されていたので、先日ヤフオクで落とした(感想はまた改めて)。



ジョン・ゾーン玖保キリコの交流はもっと古くからで、87年にはジョン・ゾーンのユニット「COBRA」のジャケットを玖保キリコがデザインしていた。ここでも「シニカル〜」のキャラたちが登場。



ちなみに「COBRA」というのはバンド名ではなく「ジョン・ゾーンが発明した、ゲームの要素を取り入れた即興演奏のシステム」だそうです。


ジョン・ゾーンは90年前後にNYと東京を行ったり来たりしていて、事実上高円寺に住んでいたらしい。その当時(90年)に行われたインタビューがこちら。

音楽、映画にとどまらず、小説やその他のメディアに触手を伸ばし、旺盛に取り込み、解体し、ハイブリッドな音楽を紡ぎだすジョン・ゾーンの活動からは目が離せない。 インタビューの場所は、高円寺にあるジョンのアパート。彼の部屋には、日本の古いピンク映画のポスターがたくさん張ってあった。

+++ジョン・ゾーン・インタビュー PAGE-1 取材・文:大場正明+++

日本映画でぼくがちょっと残念に思うのは、宍戸錠だね。彼は日活のスター、日本を代表する超大スターだったんだ。 けどいったいいまは何をやってる?テレビのグルメ番組で美味しいものを食べてるだけだ。あんなことをやっていて、誰が幸せになれるんだい、まったく。あれだけの才能を持っていながら、こんなことになっているのは、ぼくには残念でならない。

+++ジョン・ゾーン・インタビュー PAGE-2 取材・文:大場正明+++


怒られるかもしれないけど、やっぱり「変わった人だなぁ」と思った。


ジョン・ゾーンを思い出すきっかけになったNaked Cityの「拷問天国」は既に廃盤で日米のamazonでもプレミア価格になっていたが、こちらもヤフオクで落とせたので、届いたらまた続きを書きます。


(参考)
烏鵲の娯楽室〜ジョン・ゾーン

あるマゾヒストの妄想-「ファニーゲームU.S.A.」-THE KAWASAKI CHAINSAW MASSACRE


Naked City「Bonehead」(くどいようだが、閲覧注意!!!)