NHKスペシャル-世界”カイテンズシ”戦争 寿司 VS Sushi
「NHKスペシャル-世界”カイテンズシ”戦争 寿司 VS Sushi」という番組を見ました。
日本で生まれた「回転寿司」が今、世界各地で大ブームだ。アジア、欧米や中東で多くの店が並ぶ。かつて高嶺の花だった寿司が「見た目が面白く価格も安い」と庶民に人気の日常食になった。原動力は、日本から進出した大手チェーン。内外250店舗の「元気寿司」は、魚を格安で調達するネットワークや効率的なオペレーションを確立、それを武器に世界で『寿司のマクドナルド』になろうと野望を燃やす。
NHKスペシャル
一方で、海外資本の大手チェーンも誕生。英国の「Yo!sushi」は、日本の寿司とは見た目も味も違う、カラフルな“SUSHI”を武器に、欧州、中東から世界制覇を狙っている。日本伝統の“寿司”と“SUSHI”はどちらが世界のスタンダードになるのか、激しく競う。
日本の「元気寿司」とUKの「Yo!sushi」というまったく趣の異なる寿司チェーン店が中東等の世界マーケットを争う話を軸に、現在の回転寿し事情を紹介していて非常に面白かった。
この「Yo!sushi」は音楽業界でプロデューサーだったサイモンが日本で見た回転寿しに衝撃を受けて12年前にUKで始めた寿司チェーン店。実は11年前に新婚旅行で行ったロンドンで寄ったことがある(確か1号店だった)。
店の雰囲気が「近未来SF」をテーマにしてるようで、これはそのまま「日本のイメージ(=ハイテク?)」なのかなーと思った。店内に飲み物(ワインやビール)を運んでくれるロボットがいて、日本では隠してある「寿司を握るロボット」は堂々と目立つ場所に置かれていた。メニューは当時と今では違うと思うけど「クリームチーズとイチゴが入ったのり巻き(ここでは「Roll」という)」があった。味は...おいしいとは思わないまでも、別に不味くもなかった。
サイモンが音楽業界の人間だったなごりなのか、店のロゴマークはまるでテクノ系のCDジャケみたい。確かTシャツ等のグッズも販売していた。私は店で実際に使用されていたお皿(日本と同じく色違いで寿司の値段が異なる)を購入し、友人にあげたりした。
こういう料理を許せない日本人もいるかと思うけど、自分は愛国心が薄いのかまったく気にしないタチ。大体そんなこと言い出したら大好きな「明太子スパゲッティ」だって食べられないし。
Yo!sushiのオフィシャルサイトからメニューのPDF書類がダウンロードできたので現在のメニューを見てみた(2008年11月現在)。
これによればUK+アイルランドだけで42店舗あるらしい。番組ではロシアやドバイの店舗も紹介されていた。
寿司レストランといっても江戸前寿司のような「刺身がのった握り寿司」はそんなになくて、マグロやサーモン等9種類くらい。Rollと呼ばれるのり巻きの方が多いんだけど、何とのりは内側に巻かれている(のりの「黒」が欧米人が受け付けないらしい)。
↓こんな感じ。シャリの周りはオレンジや黄緑等カラフルなモノが多い。アシィィィッド!!!
実は寿司以外のサイドメニューの方がたくさんあって、うどん、天ぷら、やきとり、カレー、ぎょうざ、焼き飯、焼きそばまである。つまり「外国人に受けがいい日本料理」がほとんど揃ってるのだ。
双方のチェーン店ともこの不況で打開策を模索することになり、Yo!sushiでは中国のザリガニ(!)を使って新しい寿司を作ろうとしていた。対する元気寿司も安いネタを求めて中国をさまよう。両者を比べると「寿司とはこういうものだ」という概念にしばられている元気寿司の方が厳しいように思えた。好き嫌いはともかく、Yo!sushiの「面白ければ何でもあり!」的な思想の方が不景気を乗り切れそうな気がする。本場日本への進出も視野に入れてるそうなので、できたら行ってみよう。
(参考)
Yo!sushiオフィシャルサイト