復讐者に憐れみを-「片腕マシンガール」
ヤクザの息子をリーダーとした不良グループのいじめにより、たった一人の弟を亡くした女子高生アミ(八代みなせ)。彼女は弟が遺した“殺したいやつ”ノートを基に復讐(ふくしゅう)を誓うが、捕えられ拷問に合い、片腕を失ってしまう。何とか脱出したアミは、同じく息子を失った母親ミキ(亜紗美)とともに、復讐(ふくしゅう)するための特訓を開始する。
前回(20080617)にも書きましたが、すでに輸入盤DVDでも本編は見ていたので劇場公開はスルーしようかとも思っていたんですが、東京での最終上映ということで「やっぱり映画館で見たい」と思い直して9/12の仕事帰りにシアターNへ。
ラッキーなことに予定にはなかった井口監督の舞台挨拶を見ることができました(最終日という事で様子を見に来られたらしい)。上映終了時にもいらっしゃったので、パンフレットにサインしていただきちょっとお話までさせてもらいました。あー、やっぱり行って良かった!
その後の本編上映に先立ち、DVDにはなかった「『マシンガール』を楽しく見るために」(名称はウロ覚え)という映像が流れました。井口監督と特殊造形の西村監督の2人がふんどし姿(!)で現れて「血しぶきのシーンでは拍手!」といったレクチャーを行うという内容で場内大受け。あぁ、やっぱり映画館で見て良かった!
改めて観た本編も素晴らしかった。普通映画で「印象に残る面白いシーン」なんて、せいぜい3つか4つ程度だと思うけど、「マシンガール」は軽く見積もっても10個以上あった。ラストにヤクザが倒されたあたりで終わったとしても十分面白かったのに、最後の最後に「ドリルブラ」ですよ。
焼き肉食い放題に行ったらカレーとラーメンも追加されて、締めに大盛りのパフェが出て来たようなモンですよ。上映前のレクチャー映像にも現れていたけど、このような「過剰なサービス精神」というのがこの映画のキモであり、井口監督の本質であり、逆に今の映画に欠けているモノだと思う。
他にお気に入りのキャラなのが、この「スーパー遺族」。
彼らはマシンガールに殺された子供の親達であり、「子供を守ってやれなかった、という後悔の念」を武器にマシンガールと戦うのだが、そもそも彼らの子供達がマシンガールの弟を殺したのが発端であり、はっきり言って逆恨みなのだ。とはいえ、マシンガール自身も「弟を殺された復讐」で人殺しをしてるので単純な善悪では区別できなくなってるのが興味深い。見た目は笑えるんだけど自分はどうにも笑えなかった(面白くない、という意味ではない)。
あと、ヨシキ所長がデザインした「マシンガール」のフェイク・ポスター(実際はフェイクじゃないんだけど何て言っていいか分からない)が「パンフレットをいれる封筒」にプリントされていてこれがうれしかった。
雑誌掲載を除いて所長のポスターデザインが正規で販売されたのってコレが初じゃないかな?タランティーノとかイーライ・ロスとかはフェイクじゃなくて対日本向けポスターとして最初からこういうデザインで正規に依頼するべき、とか思った。
いつにも増してまとまりに欠ける文章だけど要はすげー面白かった!ということを書きたかったわけです。楽しかった!
オマケ
「マシンガール」のゴアシーンのみを編集して勝手に音楽をつけたモノ。USでもこーゆーの流行ってんのね。