ミスト-希望が絶望に変わる時 - THE KAWASAKI CHAINSAW MASSACRE

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『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』のコンビ、原作スティーヴン・キングと監督フランク・ダラボンが描くパニック・ミステリー。霧の中に潜む謎の生物に恐怖し、常軌を逸していく人々の姿を描く。混乱する人々をまとめようとする主人公を演じるのは、『パニッシャー』のトーマス・ジェーン。『ポロック 2人だけのアトリエ』のマーシャ・ゲイ・ハーデンが、混乱をあおる狂信的な宗教信者の中年女を怪演。思わず目を疑うような、驚がくのエンディングが用意されている。

※決定的なネタバレはしていませんが、一部映画の内容に触れているので気になる人は読まないように。

doy-絶望した！「ミスト」のエンディングに絶望した！

ari-また「さよなら絶望先生」見てるんですか？自宅で「絶望した！」って叫ぶのやめてよね。
doy-いや、本当に絶望したんですよ。とんでもないエンディングだったんで...。
ari-原作の「霧」は高校生の時に読んだけど最後そんなにひどい話だったっけ？
doy-映画版は原作に忠実らしいよ。原作ではぼんやりと「希望」を匂わせて終わったようだけど、映画版ではその「続き」がある。
（かくかくしかじか）
ari-それはひどい...。そりゃ絶望もするよね...。
doy-主人公は5歳の息子を助けようと必死なわけよ。脳内では自分とまりん（娘、5歳）がマルエツに閉じ込められてるところを想定してたからね。で、あのオチだったから絶望し過ぎて自殺しようかと思ったよ。
ari-硫化水素自殺とか古いね。これからは「ミスト」見て絶望して自殺がトレンド。
doy-ダラちゃん（フランク・ダラボン監督）はインタビューで「最近の映画は劇場を出た途端にさっと忘れてしまう映画ばかりだから、観客に問いを残そうとしたんだ。」と言ってたよ*1。
ari-「問い」が残ったというよりも「絶望」だけが残ったみたいだけどね。
doy-ということで「殺し屋1」の垣原アニキみたいに「最近絶望してねーなー」という方にはオススメ。
ari-そんな人いません！

doy-ダラちゃんがキンちゃん（スティーヴン・キング）に映画版のエンディングについて話したら「素晴らしい。原作を書いたときもこれと同じエンディングにすれば良かった」と言ったそうだ*2。
ari-お前らただの鬼畜じゃねーか！
doy-劇場は「ショーシャンク〜」「グリーンマイル」に感動したと思われるカップルや年配客が多かったからね。エンディングの後に劇場の空気が凍り付いてたよ。
ari-感動の涙を流す気満々だったんだろうなぁ。なんでダラちゃんはそういうエンディングにしたのかね？
doy-「ショーシャンク〜」みたいな「いい映画を撮る人」と思われるのが苦痛だったみたい。
ari-不良がたまたま電車でお婆さんに席譲ったら同級生から「いい人」と思われてウザかった、みたいなモン？
doy-変な例えだけどそうなんじゃない？元々「エルム街の悪夢3」とか「ザ・フライ2」の脚本書いて、フィギュア集めが趣味という真性のホラーオタクみたいだし。
ari-身近にそういう人がいるなぁ。ダラちゃんの方がウザいんじゃないの？
doy-やかましい。劇中で1番ウザいのがキリスト教原理主義のオバサンで、何かっつーと「これは神の意志だ」とか言って皆を動揺させるの。
ari-ダラちゃんは「ショーシャンク〜」の熱狂的ファンをそいつに見立てたんじゃないの？
doy-そうかもしんない。そいつひどい最期だったし（笑）。キンちゃんも「ミザリー」とか書いてるし。1番怖いのは熱狂的なファン。

ari-主人公って映画のポスター描く人だっけ？
doy-そうそう。で、アトリエには「遊星からの物体X」のポスターがあるの。全体的な印象が近いしクリーチャーの雰囲気も似てるからオマージュなんだろうな。
ari-「遊星〜」はいいよねー。頭から足生やした「物体」がこそこそ逃げるシーンが好きだよ。

↑こいつ

doy-個人的には「ある日急に終末が始まった」「閉ざされた空間に生まれる世界の箱庭的状況」というシチュエーションが大好きだし、「28週後」を超える絶望具合と、「クローバーフィールド」を超える怪物の怖さで気に入ったけどね。ただし当分見たくない（笑）。
ari-世間的には「満足度」は高くないかも。ヒットしないとダラちゃん新しいフィギュア買えないよ。
doy-また感動作品作ればいいんじゃない？「グリーンマイル2-コーフィの逆襲」とか。

↑イメージ画像
ari-日本のケータイ小説とコラボするのもいいかも。「ショーシャンクの恋空に」。
doy-いっそ対決させよう。「ショーシャンクの空にVSグリーンマイル」。あの感動作がついに激突！死ぬのはどっちだ！
ari-結局、死ぬんかい！