レミーのおいしいレストラン

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公開初日にまりんと一緒に吹き替え版を見ました。
レミーが敬愛する伝説の料理人グストーは「誰にでも料理はできる」と説き、この映画の悪役にあたる料理評論家のイーゴはそれを真っ向から否定する。イーゴ曰く彼は料理を「愛して」いて、「愛せない食べ物は飲み込まない」(だから料理評論家なのにやせている)。ちなみに彼のオフィスは上から見ると「棺桶」の形をしている。
自分が「誰でもピカソ」という番組を見ていつも思うのは「誰でもピカソ」になれるわけがない、「誰もなれない」からこそアートだ、ということ。だからイーゴの言う事は分からなくはない。
今回の映画のテーマは「誰にでも料理はできる」のか(もちろん「料理」を「アート」や「映画」に変えてもいい)、というのと「批評することの意味」の2つ。前者はともかく後者のようなテーマの映画は初めて見た。料理の世界は批評家の意見は絶対でありむしろ辛口の批評が受けるらしい。それは(少なくとも)アメリカの映画界も同じ。
最後にレミーの作った料理を食べたイーゴが新聞に載せた評論が登場する。これを聞きながらボロボロ泣いてしまった。これこそブラッド・バード(またはピクサー)が「批評家を敵に回す事になったとしても」訴えたかったことなのだと思う。
Mr.インクレディブル」もそうだったんでブラッド・バードの監督作は、他のピクサー作品と比べると少しだけ大人向け過ぎる、とは思う。でも会場の子供はガンガン笑っていたからそうでもないのかな。大きくなって覚えてはいないかもしれないけど、映画館で子供に見せることができて本当に良かった、と思える映画でした。
P.S. リアルにネズミが嫌いな人は見ない方がいいかも。ちょっとしたホラー映画でもあるんで...。