トゥモロー・ワールド

http://www.tomorrow-world.com/
レンタル。
先日見たニュースによると「携帯電話の使用で男性の生殖能力が低下」する可能性があるらしい。

計364人の男性を対象に調査したところ、携帯機器を1日に4時間以上使用する人はそうでない人に比べて、精子の活動力に問題があって不妊の原因になりうるケースがはるかに多いことが判明した。

携帯電話の使用で男性の生殖能力が低下?--米国調査 - CNET Japan

で、タイムリーに「トゥモロー・ワールド」を見る。

西暦2027年、人類に子どもが誕生しなくなり、世界は荒れ果てていた。英国のエネルギー省官僚のセオはある武装集団に拉致されるが、リーダーは元妻のジュリアン。彼女は1万ポンドと引き換えに検問を通過できる通行証がほしいと言う。彼女の目的は、ひとりの移民の少女を新しい社会を作る活動をしている「ヒューマン・プロジェクト」に届けること。しかし、そのグループには実態がなく、なおかつ、その少女は重大な秘密を抱えていた。

amazonのレビューを読むと「子供が生まれない世界がなぜ荒廃するのか理解できない」という意見がいくつかあって驚いた。別に自分の子供であろうがなかろうが本当にそんな世界になったら「もう生きる意味なんかない」と思い悲観して自殺したり自暴自棄になってテロ起こす人がいても当然と思うけどなぁ。まぁ人それぞれだけど。
この映画はほとんど主人公セオ(やはりこの世界に絶望して無気力に生きる男)の一人称視点で描かれるので、セオに感情移入できなければ面白くないだろうね。でも共感できたならセオとまったく同じ体験ができる。セオが分からないこと(子供が生まれない理由や18年ぶりに生まれた意味等)は観客にも分からないし、セオの横を弾丸が飛ぶ時は観客の横を弾丸が飛ぶ。
そんな一人称視点をさらに効果的にしているのがこの映画の最大の特長である「長回し」シーンの多用。こちらに関してはポッドキャスト映画秘宝.com町山智浩のアメリカ映画特電-第15回」と「ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記-「トゥモロー・ワールド」の驚異的長回し」をセットで見て(聞いて)みることをお勧めします(自分もこれ聞いて「面白そう」と思ったクチ)。
それ以外で良かったのは予算をかけた大作なんだけど、必要最低限の構成で作られていて本編が109分と昨今の映画と比べて短いこと。レンタルして気軽に見たんだけどあまりにも傑作だったんで現在amazonにDVDを発注中。特典DVDにはこの長回しのメイキングが入ってるそうなんで楽しみ。
3/30追記
ひたすら映画を観まくる日記アルティメット・エディション」で長回しの詳しい解説がありました。実際にはワンカットではなく複数のカットを特殊な方法でつないでいるそうです。