http://sakebi.jp/index.html
黒沢清監督最新作「叫」を初日に観に行きました。
何つーか過去の黒沢作品のリミックスみたいだった。「集大成」って言った方がいいのかな?既視感バリバリ。黒沢作品以外では「忘れられた存在(人、街)」というキーワードの1つが「パトレイバー the Movie」にちょっと似てた。忘れようとして見て見ぬフリをしたことへのツケを一気に払わせられるというそんな映画でした。
「回路」以降の黒沢作品に登場する幽霊は「実体を伴う」というのがお約束で今回の葉月里緒菜演じる「赤い服の幽霊」もそのタイプ。登場する時は部屋の隅からヌボーと出てくるくせにちゃんと触ることができる。しかも用事?が済んだらわざわざ「玄関」(!)から出て行く律儀な幽霊。
以下、監督のインタビューから抜粋。

「昔から、幽霊はどうやって帰っていくのだろうと不思議に思っていた」という黒沢監督の、幽霊へのこだわりだ。

http://www.nishinippon.co.jp/entertainment/cinema/news/20070223/20070223_002.shtml

でも、玄関からは帰らないと思うぞ。
過去の作品と比べると非常に分かりやすいので万人にオススメ。ただし「普通の映画」でもましてや「ミステリー」でもない「変な映画」という気構えで観るのが吉。タイトルでもある「叫び声」はかなり強烈なのでDVD化されて自宅で見る時は音量に注意。
上映終了後監督、役所広司葉月里緒菜による舞台挨拶も見ましたが、世界的な役者である役所広司が舞台の上で緊張していたのが何かおかしかった。