PORTISHEAD / Third

Third

Third

音楽はほとんどiTunesiPodで聴くようになった。Macにスピーカー繋いでるのでそれなりの音質で聴けるし、何といっても簡単楽チン。CDの棚で延々背表紙見つめて探す必要もないし、ディスクを入れたり出したりすることもなし。シャッフル再生にして有線放送みたいに流すとかCDでは無理。それ以前にステレオにはテレビやDVDプレーヤーが繋がっているので、家族が使っていることが多い。そんなわけで、わざわざステレオで音楽を聴くことはほとんどなくなってしまった。

だけど、時々「これはステレオで聴かなきゃダメだ」という音楽がある。このアルバムがまさにそう。

"CD PLAY"を押した途端に銀盤に封じ込められていたモノがドドドと溢れ出した。

深海の暗い暗い奥底をゆるゆると徘徊し、夜の闇の化学プラント工場に走る管のようにテラテラと重く輝き、枷から解き離れながらも逃れられない、ドクドクと流れる赤く黒い血。震えた。

ただただカッコイイと痺れることしかできない。

リズムの刻み方が好きだ。ガツンと撃たれどよんと旋回しひゅるりと持っていかれそうになると、変容し、ブツリと振り落とされるそのイケズさが。

既に遠い過去である90年代後半ならではの音、が現在00年代〜更に過去へ戻って80年代〜70年代そして原始へと繋がっているのだな、そんなことをポーティスの音から感じるとは10年前は考えたことがなかった。

ヘッドフォンで聴いちゃ駄目だ。部屋いっぱいに空気を震えさせて音像を立ち上がらせ、充満する見えない煙をからだ全体の皮膚で享受しなければ。

Portishead/Third - 音甘映画館


えーと、何も補足することありません。名盤、名文。

黒沢清の映画術

黒沢清の映画術

黒沢清の映画術

伝説の8ミリ学生自主映画製作集団「パロディアス・ユニティ」から最新作『LOFT』まで、映像のカリスマが自らの秘密をすべて明かす決定的自伝。


図書館で借りました。タイトルに「映画術」とあったので、テクニック的な内容かと思ったらロングインタビュー形式の映画にまつわる自叙伝みたいな内容でした。インタビュアーが黒沢作品に詳しい方で話を聞き出すのがうまいことと、黒沢清本人がいい意味でとぼけた人なのでまったく飽きずに最後まで興味深く読めました。

大学時代に深く考えずに受けた授業で蓮實重彦に出会ったり、「CURE/キュア」は当初は「リアリティがない」と周りから言われたのに、オウムや酒鬼薔薇事件の直後には「リアル過ぎる」として公開が延期された話や、伊丹十三との「スウィートホーム」(学生時代にデートで見たよ、懐かしい)にまつわる確執とか面白かった。

この本では「家族の映画は撮らない」と宣言していたのに、現実には「トウキョウソナタ」を作ってカンヌで賞を穫っていたりしてるのも面白い。本人の意思や意図と周りの評価がかなり食い違ってることにあまり納得がいかないようだけど、やっぱり映画の神に愛されてる人だと思う。オススメ。

俗・さよなら絶望先生1〜2

俗・さよなら絶望先生 第二集【特装版】 [DVD]

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非アニメオタクな自分としては1期と比べると若干内容がオタっぽいのがちょっと気になるけど(何をもってオタっぽいと言ってるかはいちいち解説しません)、基本的にやっぱり好き。個人的に好きな智恵先生と倫ちゃんの出番が少ないのが気になります(繰り返しますが私は非アニメオタクです)。

つか、自分よりまりんの方が大好きで毎日「ぜつぼーせんせーの、でぃーぶいでぃーみるのー!」と叫んだり、「おーれーのねだーんをーだーれーがきめーたぁ♪」と歌ったりしてます。終わってるな。