起承転血? - 『セルビアン・フィルム』

元ポルノスターのミロシュ(スルジャン・トドロヴィッチ)は、高額ギャラをもらえる映画への出演を持ちかけられる。妻子との平凡な日々を送っていたものの、生活に困っていたこともあり、ミロシュは怪しみながらも迎えの高級車で依頼人の元へ。そこでミロシュは、富豪のクライアントの要求に応える芸術的なポルノ映画に出演してほしいと頼まれ……。


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セルビアン・フィルム』を渋谷で観ました。


私は血や肉が飛び散るいわゆるスプラッター描写に対しては免疫ができてるというか、ほとんど不感症なので本作も問題なしかと思っていたんですが、観客の倫理観を挑発するかのようないくつかのインモラルな描写(具体的には新生児、子どもに対する××)には、さすがにイヤ〜な気分になりました。


実際の殺人をカメラに収めようとする内容から、映画『スナッフ』を彷彿とさせますが、『スナッフ』はまったくと言っていいほどストーリーがなくて極めていいかげんな内容でした(そもそもラストシーンだけ後から付け足したんでしょうがないんだけど)。


対して本作では、主人公ミロシュを「元ポルノスターだが、妻子を愛する優しい男」というややエキセントリックながらも共感し易い人物に設定し、はっきりとした起承転結(起承転「血」か?)で構成し、謎解きの要素を加えて飽きさせないようにしていたので、極めて反社会的で絶望的な内容ながら映画として面白く鑑賞することができました。ラストの強烈すぎるオチにもノックアウトされました。


また、ミロシュが久しぶりにポルノに出ることになって、ロッキーみたいにトレーニングや瞑想したりと、笑えるシーンも多かったのも良かったです。目にアレをブッ刺すとかもひどかったけど笑えました。


とはいえ、超劇薬であることは間違いないので、これから観られる方は自己責任の上お願いします。


(参考)
セルビアン・フィルム (aka. A Serbian Film) | ナマニクさんの暇潰し
X51.ORG : 娯楽殺人映像 - スナッフ・フィルムは実在するか


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↓『スナッフ』のジャケはこっちの方が好きだなー。