『ジョジョの奇妙な冒険』文庫版全50巻を読みました

嫁さんの誕生日にリクエストされ、『ジョジョの奇妙な冒険』の文庫を購入しました。第1部から第6部まで合計50巻という大ボリューム!



私自身は『ジョジョ〜』をまったく読んだことがなかったので、この機会に1巻から順に読んでいきました。1日に1〜2冊のペースで進めていき、約1ヶ月かけてようやく50巻読了。5部、6部になると1度読んだだけでは理解できず2度続けて読む事もしばしばでした。以下、ざっくり感想。


<1部&2部>
面白いのは面白いんだけど、『北斗の拳』の亜流という印象は最後まで拭えず。でもナチスなのに主人公を助けるシュトロハイムとか良かったなー。こういう単純な善悪で割り切れないキャラが多いのはいい。


<3部>
ここから嫁さん曰く「革命的表現」である「スタンド」という概念が登場。さらに人物名、スタンド名、技の名前等に映画や音楽からのあからさまな引用が目立ち始めて楽しくなった。エジプトにいるラスボスを倒すために旅を続けながら友情を育むというベタでシンプルなストーリーも盛り上がったしとにかく面白かった!特にクライマックス近くのイギーの戦いには号泣させられましたよ。強いて言えば、魅力的な女性キャラがいなかったのが残念。


<4部>
3部のロード・ムービー的な展開から一転し日本のとある小さな町のみを舞台に変更。敵味方問わず個性的すぎるキャラクターが数多く登場するのが最大の魅力で、お気に入りはラスボスの吉良吉影!連続殺人鬼でありながら、「静かで穏やかな生活」を望んでいて争いが嫌いというアンビバレントな存在。他にも主人公を喰うほどの存在感を示した漫画家、岸辺露伴(女性誌『SPUR』にも登場!)や、美人だけどキチガイな山岸由花子、あと宇宙人(!)等、スピンオフを作りたくなる強烈なキャラ多し。全部読むのが厳しい人は、とりあえず3部と4部を読むことをオススメします。


<5部>
日本を再び飛び出してイタリアを舞台にしたギャング成り上がりモノ。味方のほとんどがイケメンで、かつスタイリッシュ。ジョースター家に関わる人物がほとんど出てこないこともあって外伝っぽい雰囲気もある。スタンド能力の複雑さがどんどん増していき、理解するのが難しくなってきたのもこの頃から。ミュージシャン名のスタンドが多く登場し、セックス・ピストルズVSクラフトワーク等の夢の戦い(?)が楽しい。


<6部>
これまで魅力的な女性キャラが少なかった反動か、初の女性主人公ジョリーン登場。フロリダを舞台にした女囚モノで面白かった。昔ケネディスペースセンターやディズニーワールドにレンタカーで旅行したことがあったので、そういう懐かしさも含めてグッと来ました(ワニとか本当にいるんだよ)。ラストの壮大過ぎる展開には賛否が別れそうですが、(うやむやな部分も含めて)私は好きです。ラスボスのプッチ神父が単純な悪ではなく、彼なりに人類の未来をかけて戦ってるのも魅力的。ちょっと『ウォッチマン』的な感じもあるよね。


一通り読んでジョジョの魅力は何かと考えてみた。独特の画や台詞回しとかもあるんだけど、自分は「過剰なイマジネーション」だと思う。3部に「時を数秒間止めることができる」スタンドというのが出て来て「これは究極だ、勝てない」とか思うんだけど、気合いとか勢いではなく、ちゃんと理屈を通して倒す。毎回究極のなぞなぞを出されて苦労して苦労してそれを解いていく、みたいなそういう楽しさに溢れている。


そして我が家のジョジョ熱はこれで止まることなく、画集等購入したり、ネットで『アメトーーク』の「ジョジョ芸人」の回を見たりしてさらに盛り上がってます。目下の悩みは7部の『スティール・ボール・ラン』を単行本で揃えるか、文庫化を待つかです(絶対我慢できず買うと思う)。


ちなみに、有名な「ジョジョ立ち」というか奇妙なポーズに関して、嫁さんは「ヴォーギング」の影響があるに違いない、と言ってますがどうなんでしょう?