オーバードーズ映画 - 『愛のむきだし』


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敬虔(けいけん)なクリスチャンの家庭に育ったユウ(西島隆弘)は、ある出来事を境に神父の父(渡部篤郎)に懺悔を強要され始める。父の期待に応えようと、懺悔のために毎日罪作りに励むうちに罪作りはエスカレートし、いつしかユウは女性ばかり狙う盗撮魔となっていた。そんなある日、運命の女ヨーコ(満島ひかり)と出会い、生まれて初めて恋に落ちるが……。


長い映画が苦手だ。具体的には上映時間が2時間30分を超える作品だと身構えてしまう。理由はシンプルで「トイレに行きたくなる」から。もちろん上映前に行くんだけど、それでも行っちゃう。最近だと『板尾創路の脱獄王』がそうだった(94分なのに!)。『メメント』の時は立ち見客でごった返す中を退席し、戻って来た時にはまったくストーリーが分からなくなってたなぁ...(遠い目)。


で、『愛のむきだし』。大傑作との評判はずっと聞いていたし気にはなってはいたけど、何しろ上映時間4時間(237分)だ。軽い気持ちで観るには長過ぎる。『板尾創路の脱獄王』と『メメント』を続けて観てもまだ終わらない長さだ。


DVDも出たので「いつかそのうち見よう」と思っていたところで、「らら横浜2010映画祭」で1回きり¥1,000で上映されるという情報をキャッチ。これを逃すとスクリーンで観る機会はないかもと思い、一大決心して観て来ました(ちなみに途中休憩なしバージョン)。


すげー面白かった!!!


何と言うか、1本の映画というよりも、波瀾万丈な展開の連続ドラマ2シーズン分の面白いシーンだけ抜き出して再構成したような、そんな印象。全編が見所と言っても良い。「4時間という長さを感じなかった」とまでは言わないけど、少なくとも退屈することはなかったし、先が読めない展開にワクワク感が止まらなかった。幸いトイレも行かずに済みました(ほっ)。


おそらく意図的なんだろうけど、あらゆるジャンルを詰め込んだ作りになっているのが面白い。純愛あり、友情あり、家族愛あり、宗教あり、ナンセンスあり、アクションあり、暴力あり、ホラーあり、涙あり、エロあり、何でもあり。通常の映画の5倍くらいの情報が一気に体になだれ込んできて破裂しそう。これぞ観るオーバードーズ


これだけ複雑な話をまとめた監督の力量もすごいけど、主役の二人の熱演がとにかく素晴らしかった。4時間という異例の上映時間にGOサインを出した関係者(よく分からないけどプロデューサーとか配給会社とか)にも拍手。映画館で観れて良かった。おすすめです。


愛のむきだし [DVD]

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