『生きる技術は名作に学べ』を読みました

生きる技術は名作に学べ (ソフトバンク新書)

生きる技術は名作に学べ (ソフトバンク新書)

魔の山』『赤と黒』『異邦人』…教科書などで名前だけは目にしたけど、読んだことはないという人も多い世界の名作の数々。だが、そんな古めかしい小説でも読み方ひとつで、笑えて生きる活力になりもする。人気ブロガーがそれらの世界の名作を軽妙に読み解き、そこから意外なエッセンスを抽出した本書を読めば、人生がちょっと楽になるはず。


恥ずかしいのであまり言いたくないけれど私は本をあまり読まない。ましてや「文学」なんて聞いただけでどこかに逃げ出したくなる。そんな文学フォビアの私の為にあるようなのが、「空中キャンプ」でおなじみの伊藤聡さんによる初めての本『生きる技術は名作に学べ』。


何しろ伊藤さんの文章は読み易い。ひらがなを多用される独特の文体も、漢字バカ一代な私にとても優しくてスラスラ読むことができました。


その結果『隣の家の少女』並に理不尽でド不幸なお話と思い込んでいた『アンネの日記』のアンネは、とても高飛車な文章を書く自意識過剰上な娘さんだと分かったし、何となく哲学的なテーマでもありそうなカミュの『異邦人』は、母を「ママン」と呼ぶよく分からない青年の話だと判明した。いかに自分が文学作品に対して、勝手に難解イメージを膨らまして喰わず嫌いになっていたのかがよく分かりました。


また「空中キャンプ」上において、あまり悪口とか批判的な文章を読んだ記憶がないのですが、本書では「わたしはトム・ソーヤが嫌いだ」といった伊藤さんの毒舌?文章が読めるのもポイントかもしれません。


そんなわけで十分楽しませてもらったのですが、ちょっとだけ私が気になったのは本のタイトル。


『生きる技術は名作に学べ』が特別にイヤとかおかしいとかは思わないけれど、「ベストセラータイトルジェネレーター」(そんなものはない)で作られたような気がして少し違和感がありました。しかも同じソフトバンク新書で『教科書では教えてくれない日本の名作』という似たようなタイトル&内容の本を本屋で見たばっかりだったので...。


それはそれとして。


とある理由で毎週図書館通いをしているんですが、毎回何を借りようか迷っていたので、この機会にこちらで紹介された本を読むつもりです。超絶に長いらしい『魔の山』は自信がなかったのでとりあえずヘッセ『車輪の下で』を借りてきました。読むぞ!


それにしても『車輪の下で』のページにあるぼんやり画伯の直球イラストは衝撃的すぎる...。皆にオススメ。


(参考)
『生きる技術は名作に学べ』発売だよー!-空中キャンプ


車輪の下で (光文社古典新訳文庫)

車輪の下で (光文社古典新訳文庫)


↓類似品注意。

教科書では教えてくれない日本の名作 (ソフトバンク新書)

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