リアル・ナイトメア-『スチャダラパーの悪夢』

人気ラップグループ・スチャダラパーがアルバム「11」を引っ提げて行った約2年半ぶりの全国ツアーより、ゲストアーティストが多数出演した東京公演をDVD化。ツアー中に勃発した、グループ存続にも関わるメンバー間の軋轢も赤裸々に映し出す。

スチャダラパーの最新ライブDVD観ました。これがちょー面白い＆問題作！

今回のDVDは、全国ツアーのライブ映像の間に「ツアー中に勃発した、グループ存続にも関わるメンバー間の軋轢」をとらえたドキュメンタリー映像がはさまるという二段構成。ライブ映像ももちろんいいんだけど、やっぱ面白かったのはドキュメンタリーの方。

全国ツアーが始まり最初におかしくなったのはANI。しきりに「今日はヴァイヴが良くない」といった謎の言葉を吐き始め、リハにも参加しなくなり、ついには「いいヴァイブを出すため」と称して怪しげなおばさんをツアーに同行させるようになる。

そんなANIを見て憤慨するBOSEだが、徐々に「エコに対する極端な発言」が目立つようになり、ツアー中にも関わらず四国でお遍路巡りを始める始末（腕にはホワイト・バンド）。

そんなメンバーを見ながら首をかしげるスタッフだったが、シンコは1人飄々として我関せずといった態度。しかしいつも飲んでいた水筒の中身が、ウーロン茶ではなくお酒だったことが判明。あげくに夜中の公園で...。

メンバーそれぞれの行動がエスカレートしていく中、スタッフが取った行動とは...？

（以下、ネタバレしますので注意）

まーここまで書いたら分かるだろうけど、これモキュメンタリー（疑似ドキュメンタリー）作品なのだ。つまりヤラセ。しかし異常に手が混んだヤラセなので見応え十分。

推測だけど、本当にドキュメンタリー映像を撮ろうという話になった時に、「クローバーフィールド」とか「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」を観た人が「モキュメンタリーにすれば良くね？」と言ったんじゃなかろうか？

映像には事務所社長のリリー・フランキーや盟友ピエール瀧等が楽屋を訪れる様子も収められていてひじょーに楽しめました。ラストの壮大なバカバカしさに感動。オススメ！

（その他）
・ドキュメンタリーの話ばっか書いたけどライブ映像もいいよ。ゲストのハルカリがかわいかった。

・『GET UP AND DANCE』にはかせきさいだぁやソウルセットのビッケ＆俊美らが参加してちょー盛り上がるんだけど、1人だけ見慣れない男子が混じってる。「誰だよ？」と思っていたらトーイ（俊美とちはるの息子）だった！わー！