お父さんの異常な愛情-「96時間」
17歳のアメリカ人少女キム(マギー・グレイス)が、初めての海外旅行で訪れたパリで何者かに誘拐される。その事件のさなかにキムと携帯電話で話していた父ブライアン(リーアム・ニーソン)は、自らの手で犯人たちから娘を奪還しようと決意。アルバニア系の人身売買組織だと判明した犯人一味のもとへ単身で乗り込む。
これは娘を持つ父親にとってのファンタジーだ。
http://d.hatena.ne.jp/UdoKier/20090828/p1
週末「96時間」をレイトショーで観ました。レイトなんで、夕飯もしっかり食べてついでにビール(リキュールとも言う)も飲んじゃってるわけで、ちょっとでも小難しい話だったりするとかなりの確率で寝てしまうトコですが、本作に関してはそんな心配はまったくなし。何のヒネリもブレもない見事な直球ストーリー。
ゆえに誰でも楽しめるアクション映画ですが、id:Udokierさんがおっしゃった通り、本作は「娘を持つ父親にとってのファンタジー」なので、「娘を持つ父親」ならさらに数倍楽しめること請け合い。加えて普段から聞かれてもないのに「もしも娘が誘拐されたら、警察よりも先にそいつを見つけて『ホステル』よりも『グロテスク』よりも『マーターズ』よりもチカチーロ*1よりもヘンリー・ルーカス*2よりもアウシュビッツよりも『ザ・ワールド・イズ・マイン』のトシの最期よりもひどいことをしてやるよ」とか言ってる私のような人にはさらに最適。
ストーリーだけ読むとセガールやシュワあたりがやりそうな映画だけど、主役のリーアム兄さんが黙ってると結構しょぼくれたオヤジに見えるのがミソ。「あぁこいつはオレだ」と全ての父親に思わせた時点でつかみはOK。
その「しょぼくれたオヤジ」は一旦スイッチ入ったらやることは無茶苦茶。見事な手際の良さで犯人を割り出すまではいいのだが、拷問シーンにおける冷酷っぷりはハンパなく軽く引いた。あげくの果てに全然悪くない元同僚の××にまで発砲までする暴走っぷり。「娘を救うため」とはいえ、明らかにやり過ぎだよ。あんたおかしいよ!
そんなわけで大変面白く鑑賞したのですが、「娘大好き」に加えてややこしいことにちょっぴり「破滅願望」もある私*3にとってはあのラストはいただけない。
私が考える「96時間」の結末。
ラスボスを倒したリーアム兄さん。しかし全身に返り血を受けて鬼のような形相。せっかく救った娘だったが、すでにクスリで廃人状態。父に対して「クスリちょうだいよぉぉぉ、何でもするからさぁぁぁ」と叫ぶ有様。無言で娘を撃ち、自分に拳銃を構える。銃声と共に暗転。娘5歳の時のビデオが流れながらエンディング。
これだったら最高だったのになぁ。ケケケケ。
(その他)
・オレも初めての海外旅行先であるパリで初日に盗難にあった。ふぁっきゅー。
・このおっさん、娘に彼氏できたらどうするんだろう?...やっぱ拷問?
・冒頭で「金はない」って言うけど、娘の継父は金持ちだから金はあるじゃん。
・↓このあたりも結構好きです。
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