実はラブ・ストーリー-「グロテスク」


会社の同僚である和男(川連廣明)とアキ(長澤つぐみ)は、初めてのデートで喫茶店を出たところを何者かに拉致される。気が付くと二人はどこかの薄暗い部屋の中で口には猿ぐつわをされ、体は台に縛りつけられていた。そして彼らの目の前には、見知らぬ巨漢の男(大迫茂生)が立っており、次々と多種多様な拷問具らしきものが運び込まれ……。

オフィシャルサイト

イギリスの倫理協会BBFCによると「ほとんどの場面において性的暴力、辱め、極限の拷問を女性と男性の被害者に与える部分に焦点を当てている」「最近の「SAW」、「ホステル」とは違い、「グロテスク」は容赦なく辱め・残虐行為・サディズムがエスカレートするシナリオで、最後まで殺害動機を説明しようとする部分がない。自らの目的のために、見世物としてのサディズム(性的サディズムも含む)にふけっているように見える」ということで、邦画「グロテスク」は上映禁止になってしまったようです。

日本の映画「グロテスク」がイギリスで公開禁止に、一体どのような内容だったのか? - GIGAZINE


↓上映禁止を受けた監督のコメント

イギリスでの上映禁止となった『グロテスク UNRATED VERSION』ですが、ナンチャッテ良識派な方々の気持ちを逆なでするよう極めて良心的に作り上げましたので、遠くの異国の地から狙い通りの反応が返ってきて大変嬉しく、名誉に感じております。
日本のみなさんはセル版のDVDでUNRATED VERSIONを見ることができます。
カップルでのご鑑賞にピッタリの作品ですので、ぜひお買い求めになってお楽しみください。

『グロテスク』 脚本・監督 白石晃士


話題の「グロテスク」をレンタルで見ました。


「UKで上映禁止」なんてどんだけ残酷でインモラルなんだ?とドキドキしながら見たんですが、正直言うと拍子抜け。あんなトコやこんなトコをチェーンソー等で×××するシーンはあっても、直接的なカットはほとんどなし*1。「最後まで殺害動機を説明しようとする部分がない」という理由の1つにしても、劇中犯人ははっきり言ってるんですけどねぇ(理解に苦しむ内容ではあるけど)。ゆえになぜにこんな特別な措置が取られたのかよく分からず。「座敷女」とかの方が何倍も残酷だと思うけどな。


見る前は「延々と意味無しオチ無しの拷問が続く」とかだったらちょっとイヤだなーと思ってましたが、実際にはちゃんとストーリーがあったし見事なオチまであったのでかなり楽しめました。「オールナイトロング」とかはオチもかなり救いがなかったりして「どよーんのツボ」押されまくりだったけど、こちらはむしろスッキリするオチ。あのオチは良かったなぁ、笑ったなぁ。


実はこの映画って純粋なラブ・ストーリーなんですよ。テーマはズバリ「君は愛する者のために死ねるか?」。なんで「タイタニック」とかで泣くんだったら、この映画でも泣かなきゃおかしいだろ。


もちろん万人にはオススメしませんが、ホラー、スプラッター好きな方なら、過度の期待をせずに見るとそれなりに面白い、と思う、多分。


(その他)
・犯人役の方が友人に似てたのでドキドキした。
・映画内容よりエンドクレジットで流れる主題歌「あえか」を歌うバンドの名前が「SS」*2なのがどうかと思った。
・オフィシャルサイトの「要注意事項」には「カップルではご覧になられないでください」とあるけど、監督は「カップルでのご鑑賞にピッタリ」と言ってておかしい。


屋敷女 アンレイテッド版 [DVD]

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*1:私が見たのはあくまでもレンタルDVD版なんで、UNRATED版については分かりません。

*2:ナチスの親衛隊の略称。