積んで積んでドーン！-「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：破」
汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗ることで、自ら戦うことを選んだ碇シンジ。大きな運命を託された14歳の少年の物語は、ここから未知の領域へ突入する。また、綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカがエヴァンゲリオン2号機に乗って参戦。加えて魅惑の新ヒロインが登場する。そして、謎の生命体“ 使徒”とEVAシリーズの戦いは新エヴァンゲリオンの参加で、さらに激しくエスカレートしていく。
チネチッタで観ました。超面白かった！
普段あまりアニメは見ない*1。だから旧作のエヴァのことは詳しくはないけど、ずっと興味だけはあった。それは先日深町先生が書いていたように「クローネンバーグを彷彿とさせる」（生物と機械がぐちゃぐちゃに融合し制御不能になって暴走したり、エヴァが真っ赤な血と内蔵を盛大に吹き出した使徒をガツガツ喰ったり、みたいな）暴力的で野蛮な部分が、そう思わせたんだと思う。
当初はまったく興味なかったんだけど、やたら「破」の評判が良かったので、「今、このタイミングならギリギリ乗れるかも」と思い、HDレコーダーに録画しといた「序」で予習しつつ映画館に向かったら、結果大正解。見る前は「旧作を知らないと楽しめないかも」という危惧があったけど全然問題なかった。むしろ何も知らないくらいが純粋に楽しめていいのかしれない。
ぎくしゃくした人間関係が少しずつ良くなっていき、「信頼」や「友情」といった積み木を徐々に高く積み上げていった所で、タイトル通り一気に「破」壊するのが、「三途の川の積み石」のように容赦なかった。もう神も仏もあったもんじゃない。加えて大胆過ぎる音楽の使い方や、旧作ファンには今さら過ぎるだろうけど使徒のデザインとかいちいち凄くて驚愕。
とはいえ、ラスト近くにリツコがベラベラ説明口調でしゃべる所なんかはアニメ慣れしていない私には少し興ざめ。でも欠点ってそのくらいしか思いつかない。後半ずっと続く異常なテンションと緊張感はそのくらいの欠点ではびくともしないくらい素晴らしかった。
まだ3作目、4作目が控えているけど、この「破」より面白くするなんて無理なんじゃないの？と思ってる。そのくらい突出した面白さが「破」にはあった。私みたいに旧作に対する思い入れが薄い人にもオススメ（でもさすがに「序」は見た方がいい）。
