「バットマン・ビギンズ」としての「ターミネーター4」

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“審判の日”から10年後の2018年。人類軍の指導者となり、機械軍と戦うことを幼いころから運命づけられてきたジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)。今や30代となった彼は、人類滅亡をもくろむスカイネットの猛攻が開始されようとする中、ついに人類軍のリーダーとして立ち上がることになる。


チネチッタで鑑賞。お目当ての「レスラー」が始まるまでにちょっと時間があったので、「ついで」に本作を観たけど、これが意外なくらい楽しめた。


ターミネーターシリーズはやっぱ2で極めちゃった感があるので、「さらに強敵が...」という「3」の展開は、ジャンプの格闘マンガ状態でやっぱ無理があった。そこでこれまでと違うかたちで仕切り直して新シリーズとして復活させる必要になったが、タイムトラベルもの特有のややこしい制約が多くて再構築は容易ではない。しかも監督として白羽の矢がたったのが、「チャーリーズ・エンジェル」しか撮ったことがないマックGとくれば、期待しろという方が無理だろう。


そういう期待値ゼロで観たおかげなのか、いちいち面白かった。これまでのターミネーターシリーズ「1体のターミネーターが主人公を襲う」というワンパターン展開の呪縛から逃れ、敵か味方か分からないマーカスという新キャラのおかげで謎解き的な要素も加わったし、アクション映画として見ても十分に面白い。


ただ、これまでのような「分かりやすい強大な敵」が登場しないことで、これって「『ターミネーター』って言えないんじゃないの?」という感はやっぱ否めない。だけど、今作を「バットマン・ビギンズ」と同じような、あくまでも「新シリーズの序章」と考えれば、次回作こそが勝負作になるんじゃなかろうか?その期待をもたせるのに十分な出来だと思う。


その他
スカイネットはせっかくあいつやあいつを捕まえておきながら、そのままって何だよー。でもこれが次回作の布石(実はこっそり発信器とかを埋め込まれている、とか)だったら感動する。
・存在感バリバリの女の子(スター)とかも次回以降で活躍するんだろうなー。やっぱ次回作が超楽しみ。
・そもそもターミネーターシリーズのタイムパラドックス理論って、「ドラゴン・ボール」と同じで「過去が変わっても現在は変わらない」でいいんだっけ?